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4年目3rdQ (10〜12月) Part2

《目次っぽいもの》
Battle of Cool Beauties[SL]EWAの足掻き[SL]EXタッグプロレス大賞結果注釈?



WWCA

「“関節の女王”? 随分と大それた二つ名ですこと。その化けの皮、はがしてあげますわ」

「“銀狼”? 弱い犬ほど良く吠えるものね。コマンド・サンボの恐ろしさ、見せてあげる」

EWA、ワールド女子、スレイヤー・レスリング。三団体それぞれの思惑が渦巻く中でゴングが鳴らされた WWPAヘビー級タイトルマッチは、ナスターシャ・ハンとフレイア鏡という、稀代の関節技使いの対戦となったのだが…… *1

「あなたの悲鳴、聞かせてもらいますわ!」

白い指を左右に振る華麗なる首切りポーズからフレイア鏡が見せた虎の子は、関節技にあらず。その脚線美を余すところなく見せつける、クレッセントヒール──三日月式踵落とし。
天空の月からの一撃に、ハンもたまらずマットに膝をつく。 *2

「くっ……この程度の打撃で……!」

「あら、打撃はお気に召しませんの? それでしたら──」

ハンを捕らえたのは、他愛もないコブラツイスト。
しかし、ここでハンは重大なミスを犯した。この程度の技は自力で外せる──関節技に対する自信とプライドが、ロープではなく脱出と反撃を試みさせ、その結果、鏡の仕掛けた蟻地獄にはまってしまったのだ。 *3

「馬鹿な? この、私が……?」

「苦痛にもがくその顔……ウフフッ、普段と反対、クモに捕らえられた蝶の気分はいかが?」

妖しく瞳を光らせ、EWAの女王を手玉に取る鏡にとっては、何とか脱出したハンの動きも読みどおりだったのか。

息をつく暇すら与えず、さらに深みへと引きずり込むチキンウィングフェイスロックで、鏡は関節の女王から屈辱のギブアップを奪い取ったのである。 *4

フレイア

「あら? もう終わりですのね。残念ですわ」

フレイア鏡、初戴冠。
しかし、その堂々たる風格は、すでに女王と称するに相応しいものだった。




「私が返した EWA王座……石川が必ず取り戻してくれるって、信じてるぜ」

EWA

自分を EWA王座の挑戦者役に推薦してくれたのは、親友でもある前王者のサンダー龍子。
その声に背中を押されながら、石川涼美は暫定王者であるナスターシャ・ハンに挑み──そして、勝った。 *5

わずか数日前、フレイアに敗れてWWPAベルトを失っていたハンが、本調子でなかったのは事実だろう。
だが、石川にとって負けられない戦いであったことも、また事実である。

元はと言えば、自分がWWPA王座をハンに奪われたことから今回の騒動が始まったのだ。
それを思い知っているからこそ、石川は背水の陣の心境で試合に挑み、見事に期待に応えてみせたのだった。

この結果、スレイヤーでは、フレイア鏡、石川涼美、そして RIKKAを下したスレイヤー無差別級王者・サンダー龍子と、三人の王者が勝ち名乗りを上げた。 *6

しかし……

「ふぇ……ごめんね。ごめんねっ、龍子ぉ」

「石川が謝ることじゃないだろ? 許せないのはEWAだよ。なにがコミッショナー裁定だ! うちのフロントもフロントさ。いいようにあしらわれて情けないったらないね!」

月が変わった12月。
EWAは「ベルト返上同月のタイトルマッチは無効」とのコミッショナー裁定──という名の強権──を発動し、あろうことか、石川が必死の思いで勝ち取った EWA認定世界王座ベルトの返却を命じたのである。 *7
石川が泣き、龍子が怒りを顕わにしているのも、無理もない話だった。

「今度ばかりは、龍子選手と同じです。私も……怒り心頭に発しています」 *8

スレイヤー・レスリング社長は、デスクの前に立つ秘書のただならぬ雰囲気に、思わず身を引いた。
普段は冷静に策を練り、それを冷徹に実行に移す井上が、怒りに身を震わせている。社長にとっても、かつて見たことの無い姿であった。

「幸い、救われたはずのハン選手自らが、裁定に異を唱えてくれています。これを追い風に、来年早々── 1月には王座戦の再戦を組んでみせます。EWAにも文句は言わせません!」

あくまで再戦である以上、その挑戦者は石川となる。
必勝を期す井上は、この一ヶ月で石川の実力と経験を向上させるため、特訓と EXタッグへの参戦を指示。さらには、今回の件による心理的ダメージを解消させるために、団体をあげてのバカンスを企画した。 *9

「6月にはEWAとの契約が終了。むろん延長する気などありません。これがEWA王座を奪う最後のチャンスかもしれない……今回はこの私、井上霧子が、石川選手を勝たせてみせます!」




団体の垣根を越えた最強タッグ決定戦、EXタッグリーグ。

WRERAの社長は、昨年と同様に登録選手を相談するため、六角葉月を事務所に呼んだ。

「それでだ。今年も、お前と誰かのタッグで行ってもらおうかと……」 六角

「あ、それなら市ヶ谷でよろしく」

「……毎度毎度、話が早いな。しかし、どこか嫌そうに見えるのは気のせいか?」

「いやぁ、別に嫌なわけじゃないんだけど。ただ、去年は祐希子と私ゃで優勝しちまっただろ? だもんで、あのお嬢が例によって、祐希子に対抗心燃やしちまってね。おかげで最近は、自分を選べって、ストーカー並みにしつこいプレッシャーかけてきてさ……」

「……お前も大変だな」

EXタッグリーグ参加チーム
パンサー理沙子&ドルフィン早瀬新日本女子
八島静香&フォクシー真帆新日本女子
ソニックキャット&菊池理宇新日本女子
十六夜美響&南利美ワールド女子
ガルム小鳥遊&オーガ朝比奈日本海女子
ローズ・ヒューイット&ジャネット・クレア海外
サンダー龍子&石川涼美スレイヤー
六角葉月&ビューティ市ヶ谷WRERA

国内の実力者たちに加え、今年は GWAからトップチームのローズ&ジャネット組が参戦。混戦が予想されていたのだが……

EX

「ヒューイットぉ! ここで会ったが百年目だ! 石川、手を出すんじゃないよ!」

「は〜い、龍子。……ほどほどにね」

かつて龍子が完敗を喫した相手、ローズ・ヒューイット。 *10
だが、今の龍子はその時とは全く違う存在になっていた。
龍子はほぼ一人で GWAトップレスラー二人を相手に鬼神の如き立ち回りを見せ、石川がほぼ傍観者に回る中で、完勝劇を演じたのだった。

「これで、借りは返したよ!」

EX

そして迎えた最終戦は、三年連続の全勝対決。そして、二年連続のWRERAとスレイヤーの対決となった。

「あなたがサンダー龍子とやら? 国内最強のパワーファイターとか呼ばれて悦に入っているようですけど、その遥か上に全宇宙最強の私がいることを、しっっかりと自覚して欲しいですわね。オーッホッホッホ!」

「ビューティ市ヶ谷……噂通りの高飛車ぶりだね。 その大口が実力に見合ってるのか、私が確かめてあげるさ!」

龍子と市ヶ谷のみならず、石川と葉月もパワーを強みの一つとする選手だ。
試合は、それが当然であるかのように、全員のパワーがぶつかり合う大激戦となった。

個々の力の合計は葉月&市ヶ谷組がわずかに上。しかし、龍子&石川組はチームワークでその差を埋め、戦いは長期化。結果、フルタイムドローに終わったのである。 *11

「全勝対決の最終戦でドロー……ルールでは、たしか再試合ですね。燃えてきました〜」

「やれやれ。面倒なこって……」

石川と葉月のその態度が明暗を分けた、というわけではないだろう。
ただ、再試合となった勝負は、初戦で相手の動きを把握・研究した石川の頭脳プレイと、実にダブルインパクト3発を決めるという息のあった連携プレイが光り、龍子&石川組が勝利したことは確かであった。

「さすがの名参謀ぶりだったね、石川。この調子で、来年のタイトルマッチも頑張んなよ?」

「あはっ。来年のこと言ってると、鬼が笑っちゃうよ。ね、龍子?」 *12




この年のプロレス大賞受賞者は、以下の通り。

ベストバウト:ジュニアテディキャット堀 VS コリィ・スナイパー
ベストバウト:タッグ六角葉月、ボンバー来島
 VS ダークスターカオス、ジュディ・コーディ
ベストバウト:シングルサンダー龍子 VS ナスターシャ・ハン
最優秀新人メロディ小鳩
最優秀外国人ダークスターカオス
最優秀選手サンダー龍子

小鳩

「社長、やったわ〜。 ご褒美に旅に出ていいかしら?」

目立った殊勲こそないが頭一つ抜けた成長ぶりを見せ、新人賞を得たメロディ小鳩。
市ヶ谷や祐希子に敗れたとはいえ、その実力に疑いの余地は無いダークスターカオス。
そしてついに葉月&上原&理沙子世代の高い壁を越え、文句なしに国内最強と呼ばれるようになったサンダー龍子。

これら個人賞は問題なかったが、ベストバウトのタッグ&シングルについては、WRERAやスレイヤーでのタイトルマッチを始めとするこの年の名勝負が入らなかったことから、ファンの間でも物議をかもす結果となった。 *13

「キーーッ! なぜこの私のAACやAACタッグの防衛戦が入っておりませんの!? こうなったら委員会や協会に大抗議ですわ! メディアも使って、全国600億人の私のファンによる、一大ムーブメントを巻き起こしますわよ!」

……特に名を秘すが、一部の選手から巨大な抗議が噴出したこともまた、一つの事実である。




*1極攻防がS,Aのハンと、同じくE,Cのフレイアです。
*2必殺技としての関節技があまりに不遇ということもあり、フレイアには踵落としを必殺技として持たせてます。この人にはカカトが良く似合う。(?)
「クレッセントヒール」は、何となく思い浮かんでつけた名前ですが、調べてみたら昔よくやってたバーチャファイターシリーズでのサラの技 (正確にはクレセントヒール) でした。
*3中央でもすぐロープに向かおうとする人が多い中、一部のキャラは関節技を自力で外そうとして大ダメージくらってくれることがあります。
*4わずか11分58秒で、フレイアの勝利。この人の勝ちポーズはなんか好きです。
*523分09秒、STOで石川の勝利。
なお、ハン&クライ VS 十六夜&南の EWAタッグ戦は、さすがに王者組が貫録勝ちしてます。
*6龍子 VS RIKKAのスレイヤー王座戦は、23分50秒、DDTで龍子が初防衛。
途中までは楽勝ペースだったのですが、RIKKAに必殺カードが三回出るなど、終盤に粘られました。
*7コミッショナー裁定とかは妄想設定ですが、これもまたバグでしょう。おそらく、遠征防衛戦を断る→返上→試合で奪取→防衛戦断りのフラグが残っていて強制返上 (メッセージ無し)、といった感じになったのかと…
*8ちなみに、私(管理人)も怒りました。
*9実際には、12月は「毎年恒例」のバカンスです。WRERAも同じ。
スレイヤーでは石川が登場、WRERAでは堀が登場してます。
*10よかったら、2年目1Q妄想補完その6、そして 2年目3Q、あたりをご覧下さい。
さすがに今の龍子さんなら、ローズ・ヒューイットにももはや後れは取りません。
*11どちらを操作するか迷った挙句、フルオート観戦。初戦は半ば予想通りの時間切れ引き分けでした。
ちなみに、再試合はどんなに長くなってもドローにはならない感じです。
*1212月のスレイヤーは、玩具スポンサー(上原)、小鳩完治、ライラFC、上原プライベートイベントその2、が。
WRERAでは、ゆっこ完治、桜井CM(初受け。当然、嫌がられました…)、広島にグッズショップ設立、市ヶ谷プライベートイベントその2がありました。
*13こればかりは仕方ありませんが、シングルだけでも、上原VS龍子、カオスVSゆっこ、市ヶ谷VSカオス、ゆっこVS市ヶ谷、あたりにしてほしかったです。
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