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1年目1stQ (4〜6月)

《目次っぽいもの》
入門テスト後[WR]胎動[SL]計算違い[SL]猫と犬猿[WR]旗揚げ[SL]注釈?



北の地に舞うのは雪か、それとも白き風か──

西北海道は札幌に設立された、WRERA(レラ)女子プロレス
プロレスを愛するコーチ上がりの若手社長が、少ない資金をやりくりして、ようやく船出にこぎつけた団体。*1
社長を優しく支える女性秘書・霧子を始めとする、不慣れながらも有能なスタッフたちが運営するこのインディは、果たして今後どのような道を歩んでいくのであろうか……

「あー、疲れたあ。スカウトされたからフリーパスかと思ったのに、結局は入門テスト受けさせられるんじゃないの」 *2

「文句を言わないで、祐希子さん。社長の推薦といっても、体力レベルはちゃんと見ておかないといけないのよ。まあ、あなたは十分に基準をクリアしてましたけどね」

クリアどころか、かなりの素質だ。こんな子と偶然出会ったという社長の幸運に感謝しつつ、霧子はここに来ることになった経緯を祐希子に訊ねた。

「うーん。それはちょっとね。社長さんに聞いてほしいっていうか、性悪女の口車に乗せられたっていうか」 *3

「性悪女……?」

「あはは、まあいいじゃない。それより、霧子さん、だっけ。あたしの他にも合格した子っているんでしょ? 会ってみたいんだけど、いいかな」

「ええ。合格者は一人だけどね。名前は来島恵理さん。体力だけならあなたよりも凄い数値だったわ」 *4

「来島の恵理ちゃんね。これから、長いつきあいになるのかなぁ」

ゆっこ 「そうね。あなたたちのどちらも、途中で音を上げたりしなければね」

「あと、この団体が潰れなければ、だよね?」

「……頑張るわ」




一方、西の地では、“殺戮者”の名を持つ新興団体が、静かにその牙を研いでいた。

神戸に本拠を構える、スレイヤー・レスリング・カンパニー
壮年の社長は財界でも切れ者で通っていた男だが、その男が黎明期の女子プロレス界に手を出すことになったのは、彼以上の策謀家たる井上という女性が、その秘書の座に就いたことが大きい。
翼を得た虎は、業界に波乱を巻き起こす準備を、着々と進めるのであった── *5

上原 「井上くん。ブレード上原選手の件はどうなっているね」 *6

「万事、抜かりありませんわ、社長。本人の意思も確認できましたし、あとは細部の詰めと、契約書へのサインだけです」

「契約の際には、私が行こう。相手は大物選手だし、こういうことは最初が肝心だからな」

「ぜひお願いいたします。──ところで、例のダイヤモンドの件も、進展がありました」

「ほう」

ダイヤモンドというのは、いわば符牒だ。その意味するところは、ブレード上原に続く新団体の目玉となりうる大物新人、17歳の柔道女王・市ヶ谷麗華。
先だってプロレス入りを表明した彼女は、どの団体にとっても垂涎の的だった。

「市ヶ谷財閥総帥、つまりは彼女の父親との会食がセッティングできそうです。社長とお付き合いのある、KR銀行頭取の口添えは必要になりそうですが……」

「問題ない。あの男には貸しがあるからな。ただ、土曜のゴルフくらいは付き合わねばならんだろう。新人テストの件とRIKKA選手の件は、君に任せていいかね?」 *7

「承知いたしました」




あのパンサー理沙子と新女時代には人気・実力を二分していた、ブレード上原という大物を手中に収めた、スレイヤー・レスリング。 *8
返す刀で、経営不振で解散した某団体で「若手最強」と称されていたサンダー龍子と、その親友・石川涼美も獲得。 *9
あとは、本命・市ヶ谷を射止めるだけ、のはずであったが……

「あの市ヶ谷麗華が、WRERAとかいう旗揚げも未だの無名団体を選ぶとは……思わぬ展開になったものだな、井上くん?」 *10

「……申し訳ありません。全く予測が──いえ、正直、今でも信じられませんわ」

市ヶ谷 ネットの書き込みでは『令嬢なのにゴミ袋を自分で、しかも分別せずに出しているところを社長に見られてしまい、思わず入団をOKしてしまったらしい』などのヨタ話も見られたが、そんな馬鹿馬鹿しい説は信じる気にもなれない。

「WRERAについても調べてみましたが、吹けば飛ぶような零細団体に過ぎません。あのお嬢さまが、一体何を考えているのか……」

「まあいい。磨き方を知らぬ団体では、所詮ダイヤモンドも本来の価値は発揮できん。我々の手にしたルビーやエメラルドの放つ輝きには、到底及ぶべくもあるまいよ」 *11




鳴り物入りの大型新人・市ヶ谷麗華を獲得したWRERA女子プロレスであったが、その前途は多難の一言だった。
ベテラン、中堅クラスの選手が獲得できない。何人かのフリー選手には声をかけてみるも、あるいは断られ、あるいは他団体に先を越された。 *12
良い素質を持った新人が集まってくれているのはせめてもの救いであったが、その新人たちについても少々問題はあったのである。

堀

「はじめましてにゃん! 今日からお世話になる堀咲恵で──」 *13

「い〜ち〜が〜や〜! よくもやってくれたわね、この成金暴走ワガママ女!」

「オーッホッホッホ! なにを言ってますの、ズン胴ナマイキ田舎娘の分際で。自分の実力のなさ、弱さ、だらしなさ、その他もろもろ全てをまず反省して後悔するのが先ではなくて?」 *14

「練習に強いも弱いもないでしょーが! 交互に投げる練習なのに、なんであんたばっかが投げんのよ!? 練習になんないじゃない!」

「あの……今日からお世話になる……」

「あら、仮にも柔道で頂点に輝いたこの私が、なんであなたごときに投げられないといけませんの? 悔しかったら、実力で投げてみればよろしいのですわ。オーッホッホッホ!」 *15

「もうアッタマきた! たまに実家から出てきたなと思ったらこれだもの。やったろうじゃない! フルボッコにして埼玉に送り返してあげるわよ!」

「あ、あのぉ……!?」


……少々ではなく、とても問題がある新人たちかもしれない。 *16




「社長。GWAとの提携契約、バニーボンバー選手との個人契約、いずれも滞りなく完了しましたが──いかがなさいますか?」

「機は熟した、ということだな。良かろう」


6月。 *17
設立時から多くの話題をメディアに提供し、実力ある選手たちを集め、新興団体ながらもすでに他団体から一目置かれる存在となっていたスレイヤー・レスリングは、本拠地・神戸にて旗揚げ興行を行なった。

興行結果は、大成功。
定員1500人の会場を札止めにし、続く各地の巡業でも1000席クラスを軒並み超満員、あるいは札止め。井上が翌月以降の収支予測を早くも上方修正することになる予想以上の成果に、社長もただ満足げに頷くのであった。 *18




*1…といった感じの妄想設定でよろしくです。
*24月、スカウトにてゆっこ獲得。実際にはスカウト時にテストなんてありませんので、念のため。
*3妄想補完その1参照。市ヶ谷ではありません。
*44月、テストで来島獲得。福岡から札幌までご苦労さまです、来島さん。
*5これも、こんな感じの妄想設定でよろしくです。「井上」と「霧子」は「どっちの秘書も井上霧子」問題への強引な解。
*64月、移籍交渉で上原獲得。序盤で評価値1000超えは頼もしいです。
*74月、テストでフレイア、スカウトでRIKKA獲得。
*85月に、いきなり青春映画出演の打診を受けた上原さん。さすがに断りました。
*95月、テストで石川、スカウトで龍子獲得。龍子さんの評価値700は、まさに若手最強。
*105月、スカウトで市ヶ谷獲得。この人のゴミ捨てはもはや伝統?
*11良かったら、妄想補完その2 もどうぞ。ちなみに龍子さんはルビーのイメージ。もちろん最高級。
*12実際には六角さん狙いだったのですが、資質Aの六角さんは団体評価5000まで獲得リストに出てくれないと知って愕然。
*135月、テストで獲得。V1のイメージが強いので、堀とゆっこ、来島が同期というのはかなり違和感が。
*14序盤で評価値130の差(490vs370)は、かなり大きいです。
*156月には、旗揚げもしていないのに市ヶ谷と来島のFC(ファンクラブ)が。…北海道はパワー好きが多いとか?
*16実際には「全選手合計評価値がスレイヤーの半分にも満たないこと」が大問題。旗揚げやその先が全く見通せず…
*17その他、龍子のFC設立と、同じく龍子の一日署長も発生。
*18過去二回のプレイと比べても、一番のスタートダッシュでした。おそらく上原さん効果が大。
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