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7年目2ndQ (7〜9月) Part1 〜 この機に乗じて 〜

《目次っぽいもの》
この機に乗じて:千春の場合[SL]この機に乗じて:千秋の場合[WR]注釈?



WWPA-T

「来いよっ。 そのメイド服を真っ赤に染め上げてやるぜ!」

「少々おイタが過ぎるようですわね。 困ったお嬢様ですこと!」

ライラ神威&フレイア鏡 VS メイデン桜崎&真田美幸。

7月のスレイヤー巡業最終戦で組まれた WWPAタッグ王座戦は、先鋒のライラと桜崎が向き合った開始早々から、激戦となった。 *1a

「教えてやろうか? これでも私のモットーは有言実行なんだよ!」

ライラのナックルを顔面に受け、桜崎がいきなりの流血。
“血塗られた悪夢”などと呼ばれるようになったライラは、その二つ名を証明するように、血が目に入り視界のおぼつかない先輩を容赦なく攻め立てる。

「桜崎先輩、交代っス! ライラ、覚悟!」

「おーっと、怖い怖い。 こっちもタッチだ。 頼むぜ、先輩?」

「あらあら。 人使いの荒い子ね」

真田と鏡では、団体No.2の後者が圧倒的に優位。
事実、鏡は猪突猛進の真田を巧みにいなしてダメージを与えていく。
しかし、真田にはあのナスターシャ・ハンすら沈めた必殺の一撃があった。 *2a

「真田六文銭の一撃、受けてみろぉっ!」

斬馬迅が鏡を打ち倒すと、出血を止めて再登場した桜崎も、鏡のお株を奪う関節技の連続でリードを広げていく。

「チッ、なにやってんだか──背中がお留守だぜ、メイドさんよぉっ!」

鏡のピンチにライラが背後から桜崎を襲うが、それは桜崎の予想範囲内だった。

「行儀の悪いお嬢様のしつけも、お仕事のうちですわ!」

カウンター気味のエクスプロイダーでライラを返り討ちにすると、場内は一気に沸いた。

さらに桜崎は、真田とのWドロップキック、Wラリアットで畳みかけ、ライラを追い詰める。
挑戦者組のベルト奪取は、もはや時間の問題と思われた──。

桜崎 真田

「……と、ここまでは良かったんすけどねえ。
すんません、先輩。 自分がふがいないばっかりに……」

「お嬢様のせいではありません。 私がこの後、鏡先輩に攻め込まれて後手に回らなければ……悔やまれますわ」

テレビとHDDレコーダが置かれた、寮の共用リビング。
いつの間にか流されていた、先月の興行の映像。 自分たちが敗れた試合のそれを眺めながら、真田と桜崎は二人並んでため息をついた。 *3a

その後ろ、ドアの影からこちらを見つめる、村上千春の姿には気付かずに。
千春

「クククッ。 うまくいったぜ。 いい感じで落ち込んでやがる。
今から明日の試合が楽しみだねぇ……」

8月。 *4a
前月に WWPAタッグベルト奪取に失敗した桜崎&真田のタッグは、今度は GWAタッグ王者として、石川涼美&村上千春組を挑戦者に迎えた。

GWA-T

「あは、千春ちゃんとは初めてのタッグですね〜。
お姉さん、今日は張り切っちゃいますよ〜!」

「あ、頭を撫でんじゃねぇ、このウシ乳女!
今日はタイトル奪うチャンスなんだ、足引っ張んなよ!」

足を引っ張るな、などと言ってはいるが、力量も経験も自分より石川が上なのは、千春も分かっている。
加えて、タッグにおける石川の勝率の高さは特筆すべきものがある。
だからこそパートナーに選んだのだ。

「お姉さんパワー、いきなり炸裂です!」

石川は序盤、いきなりの大技・のど輪落としを桜崎相手に決め、コーナーに控える千春をほくそ笑ませる。
だが、桜崎と真田も、伊達に GWAタッグ王者を名乗っているわけではなかった。

「この桜崎、まだお暇をいただくわけには参りません!」

「ここで負けたら、自分の誕生日を祝えないっス!」

桜崎が石川にエクスプロイダー、真田が千春に斬馬迅、とそれぞれの得意技を決め、勝負の天秤は一気に王者組の方へと傾いた。

挑戦者組も細かいタッチを繰り返して凌ぐが、ついに石川が桜崎に捕まってしまう。
片エビ固め、チキンウィングフェイスロック、ニーリフト。
連続攻撃に、石川はあわやフォール負けのカウント2.8まで追い詰められ──

「その希望、絶望に塗り替えてやるよ!」

そんな石川を救ったのは、千春得意のサッカーボールキックだった。
もんどりうって吹き飛ぶ桜崎をさらに攻め立てると、慌てて入った真田を反則攻撃で返り討ちにして、あっという間に展開を五分に戻す千春。

石川も息を吹き返し、千春とともに、息を切らした王者組を逆に追い詰めていくが……。

《──おーっと、ここでレフェリーが手を振る! ゴングが鳴り響いた!
GWAタッグ王座選手権は、規定時間の60分を過ぎての引き分けです!
後半は防戦一方だった王者・桜崎&真田組、からくもベルトを守り抜きましたっ!》

「チッ……あんだけ攻めといて、ベルトは奪れずか。 ついてねぇな」

「ごめんね〜、千春ちゃん。 私がもっとしっかりしてれば……」

「まったくだね。 ま、とりあえず今晩は夕飯をおごってもらおうか。
ちょうど、一度入ってみたかった高級フレンチがあるんでね……。
頼りにしてるぜ、石川先輩?」




NJWP

「もう終わりか……? 話にならないな」

《NJWP王座、交代ぃ!
テディキャット堀、必殺コーディクラッシュの前に、二度目の防衛は失敗! ベルトはジュディ・コーディの手に渡りましたっ!》

8月の WRERA巡業第五戦、NJWP王座を賭けたテディキャット堀 VS ジュディ・コーディの一戦は、王者圧倒的優勢との下馬評を覆すコーディクラッシュの一撃で、コーディがタイトルを奪取。 *1b

一時期五冠王者となっていた堀だが、5月の AACタッグ王座に続き、四ヶ月で二つ目のタイトル喪失となってしまった。

「うにぃ……油断したかにゃ……」

さすがに落胆した様子でリングを降りる堀。

うつむいた彼女の視界には、その様子を陰から見つめて計算高く微笑む、村上千秋の姿は入らなかった。 千秋

「クックックッ。 いいねえ。 いい感じで落ち込んでやがる。
今から明日の試合が楽しみだよ……」 *2b

最終戦のセミファイナルは、アジアタッグ王座選手権。
王者・テディキャット堀&越後しのぶに挑むは、村上千秋&ダークスターカオスという異色にして初のタッグチームだった。 ASIA-T

「私一人じゃちょっと荷が重い相手だけど、こんな怪物が一緒なら心強いね。 精々頑張って私にタイトル獲らせてくれよ、怪物!」

「……釈然としないところはあるが……まあいいだろう。
どんな相手、どんなパートナーだろうと、勝つのは私だ」

先鋒は越後と千秋。
越後は防御に重きを置く選手だが、ここはさすがに先輩の意地を見せて攻めに出た。
経験値差はいかんともしがたく、押される千秋。

「クソッ、こういう時は秘密兵器の出番だぜ!」

タッチで登場したダークスターカオスは、世界最高峰の実力をいかんなく発揮して越後を寄せ付けない。それでも、反骨精神豊かな越後は怯まなかった。

「これまで受けた技……百倍にして返してやる!」

鋭い延髄斬りでカオスをぐらつかせると、すかさず堀と交代。
堀とてカオス相手には分が悪いが、立て続けにタイトルを失うわけにはいかないという強い思いが実力を倍化させたか、カオスを押し込んで会場を大きく沸かせる。

「何やってんだ、黒星マスク! 私が出てやるよ!」

シビレを切らした千秋が再びリングインして、素早い動きで堀を撹乱する。
堀もスピードのある選手だが、千秋はその上を行っているのだ。

「そろそろ大の字になって寝ちまいな!」

千秋得意のフェイスクラッシャーが堀を襲う。
決まった──と思った瞬間、堀は背後から走りこんできた千秋を上手く受け止めて、そのままフィッシャーマンバスターに担ぎ上げた。 *3b

「ピンチはひっくり返せばチャンスだにゃん!」

さらにお株を奪うフェイスクラッシャーと、ノーザンライトスープレックスが千秋の抵抗力を奪っていく。

それでも場外に落ちたところで何とか反撃し、カオスに全てを託した千秋だったが、

「さっきは百倍! 今度は二百倍だっ!」

そのカオスに、交代した越後の延髄斬りが再び決まった。
直後の押さえ込みは千秋がカットするが、続くダブルインパクトまでは防げなかった。

27分46秒、殊勲とも言える勝ち方で、王者組は二度目の防衛を果たしたのである。

「ったく、めったにないチャンスを逃しちまったぜ。
しっかし、思ったより使えない奴だな。 何が WWCA世界チャンプだか──うぐぁっ!?」

「……悪かったな」

リング上で披露できなかった代わりとでもいうように、カオスは帰り際にその豪腕を軽く一振りした。
それだけで観客席に飛び込む羽目になった千秋を放置して、カオスは一人で控室へと消えていったのだった。




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■ 注釈(?) ■
*1a7月のスレイヤーは、WWCA契約切れに伴い IWWFと契約。 龍子グッズがバカ売れ、WWCAジュニア遠征防衛、森嶋CM、
石川&RIKKAが IWWFタッグ六度目の防衛(vsフレイア&ライラ)、
森嶋がWWPA王座五度目の防衛(vsRIKKA)、
石川&龍子がNAタッグ王座五度目の防衛(vsフレイア&森嶋、引き分け)、などがありました。
*2a桜崎&真田 VS ナスターシャ・ハン&ドリュー・クライは、6年目2Qをご覧ください。
*3a結局、47分02秒にフレイアのクレッセントヒールで王者組が二度目の防衛です。
*4a8月のスレイヤーでは、真田二十歳の誕生日、真田プライベートイベント
フレイアのEWA初防衛(vs真田)、
RIKKAのアジアヘビー八度目の防衛(vs森嶋)、
龍子のスレイヤー十三度目の防衛(vsモーガン)、などがありました。
*1bNJWP王座戦は、14分00秒、必カードのコーディクラッシュでジュディ・コーディの勝利。
評価値が50以上高い堀を操作して負けたので、プレイヤーとして言い訳できない状況。コーディのパワーよりも関節技が厄介でした。
なお、どうやらCOMはこちらの体力がギリギリになると難易度の高い必殺技を使ってくれるようです。
*2b8月のWRERAは、他にAACタッグ遠征防衛、桜井FC、ゆっこ一日署長、広島に飲食店設置、
堀のGWAジュニア初防衛(vsコリィ)、
リリィが富沢の TTT王座奪取(すぐ返上…という妄想設定)、など。
7月のWRERAは、TWWA遠征防衛、ゆっこFC、市ヶ谷FC、IWWF契約切れに伴い WWCA契約
市ヶ谷のAAC十三度目の防衛(vs六角)、
堀のAACジュニア二十度目の防衛(vs千秋)、
桜井のIWWF四度目の防衛(vs六角)、
ゆっこのNA王座十一度目の防衛(vs市ヶ谷)、などがありました。
*3b実際には、千秋の必カードを、堀の必カードで潰してのフィッシャーマンバスターです。
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