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7年目2ndQ (7〜9月) Part2 〜 Sonic & Melody Musical 〜

《目次っぽいもの》
Sonic & Melody Musical[SL]泰山鳴動して○が一匹[WR]注釈?



小鳩

「それで、任務は?
……あ、普通の殴りこみなのね♪ いってくるわ」

9月、スレイヤー・レスリングのメロディ小鳩は、新日本女子へと単身で殴りこみをかけた。 *1a

「うっきゅっきゅっ。 ここで会ったが百年目だぉ……って、これじゃちょっと悪役っぽいのさね」

小鳩を笑顔で待ち受けていたのは、新女の誇るジュニア最強戦士・ソニックキャット。

ヘビー級でも上位のその実力は、新女のジュニア戦線では完全に敵なしの状態。 *2a
それ故、他団体の手応えあるジュニアレスラーと戦えることは、彼女にとっても喜びなのであった。

「ここは、互いのベルトを賭けて勝負するのさね!」 TWWA-J

WWCAジュニア王者・メロディ小鳩と、
TWWAジュニア王者・ソニックキャット。

二人がそれぞれの世界ジュニアベルトを賭けて戦うタイトルマッチは、ジュニアの試合では珍しいことに、新女興行のメイン戦に据えられた。 *3a

「それだけ期待されてるってことだぉ。
その期待には応えてみせる……それがヒロインの心意気ってものさね♪」

「いひ♪ スーパーヒロインが相手なら、今日の小鳩は悪の怪人かしら?」

ともに世界ジュニア王者ではあるが、ジュニア最強と称されるソニックと、彼女と WRERAの堀に続く三番手止まりと目されている小鳩では、まだまだ格が違う。 *4a

始まった試合も攻防全般でソニックが優位に立ち、新女ファンの声援をさらに大きく引き出した。

「みんなの声援が、ヒロインの力になるのさね!」

ソニックの大技、フィッシャーマンバスターが小鳩をリングに叩きつける。
早くも勝負ありか、と身を乗り出した会場はしかし、次の瞬間カウントも取らせずに上半身を起こした小鳩の姿に、驚嘆の声で埋めつくされた。 *5a

「残念ね♪ 序盤で必殺技を使っちゃうのは、ヒーローものの負けパターンなのよ?」

完璧なまでの受身でソニックの大技の威力を殺しきった小鳩はソニックをたじろがせるが、そこは百戦錬磨のソニックだ。
隙に乗じて反撃を狙った小鳩の技も散発的なものに封じ、着実に相手の体力・気力を削っていく。

それでも、小鳩の表情に焦りの色は見えなかった。

「追い詰められるとゾクゾクしちゃうわ……小鳩って変なのかしら?」

ソニックが滞空時間の長いブレーンバスターに行こうとしたところをタイミング良く逆に担ぎ上げ、続くフライングニールキックも、トペ・レベルサで封じ込める。

「知ってる? 小鳩は意外に器用で──ついでに力持ちなの。 いひ♪」

手数は圧倒的にソニックが上。
しかし、一撃の重さはこれも圧倒的に小鳩が上だった。
小柄な身体のどこから、と思わせるパワーで、ソニックを苦しめていく。

「うきゅ……このままだと、まずいの……」

「どうしたの? 動きが鈍くなってるわ。 それなら、今度は小鳩の番よ♪」

一気呵成、とはこのことだろう。
コブラツイストで締め上げてから、とっておきのメロディ・スタンプを二連発。

53分16秒の熱戦は、最後はあっけないくらい簡単に、メロディ小鳩の勝利で幕引きとなった。

小鳩

「勝っちゃった。 こんなに目立っちゃっていいのかしら?」

この結果、小鳩は WWCAと TWWAのジュニア二冠王者となり、その評価を一層高めたのだった。 *6a




日々、過酷な移動と試合、そして営業活動と練習に明け暮れる女子プロレスラー。

そんな彼女たちにとって、たまの完全オフ、つまり休養日はかけがえのないもの。
前日ともなれば、明日の予定に思いを巡らせたり、気の合った仲間を誘ったりする姿が見られるのは、半ば当たり前のことであった。

めぐみ 千種

「ねえねえ、めぐみぃ。 明日のオフだけど……
買い物に付き合ってくれる話、忘れてないよね?」

「心配しなくても、覚えてるって。
千種ってば、服の合わせがいあるから、私も楽しいしね」

9月最後のオフ日を前に、WRERAのジムでは若手の武藤めぐみと結城千種が、二人して明日の買い物話に花を咲かせていた。 *1b

それ自体は何ら特別な事でも無かったが、そんな二人を少し特別な目で見つめる一人の先輩選手が WRERAには存在していたのである。

来島 富沢

「来島さん、あの二人……武藤と結城ですけど、なーんか怪しくないですか?」

「ん? 怪しいって何がだよ、富沢?」

「仲が良すぎるってことです。 あれはもう、あっちの方へ行っちゃってるんじゃないですかね」

「はあ? あっちがどっちか知らねーけど、休みに連れ立って遊びに行くなんて普通だろ? 俺だって、祐希子とメシ食ったりドームに野球見に行ったりしてるぜ?」 *2b

「そういうんじゃなくてぇ。 あの二人見てると身体的接触が多いんですよっ」

「何だそれ?」

「要は、ベタベタイチャイチャしてるってことです。 ひょっとして……いえ、もう私的には確定です! 武藤と結城は間違いなく……!」 理沙子2p

「……あの、富沢さん。 そういう話は、あまり大声では……」

力説し始めた富沢を見かねて声をかけたのは、早くも団体の良心などと呼ばれつつある良識派の新人、“もう一人の理沙子”こと、佐久間理沙子だった。

「あら、佐久間じゃない。 ちょーどいいわ、あなた明日付き合ってくれる? 一緒に、あの二人を尾行するのよ!」

「び、尾行? な、何を考えてるんですか、富沢さん!?」

「どうにも不健全な匂いがするのよ。
二人の後輩が誤った道に進むのを止めたげるのは、先輩の義務ですからね!」

「……義務の割には、妙に楽しそうだな、富沢」

翌日。
予定通り、めぐみと千種は札幌の街に繰り出した。
その後ろを離れて付きまとう、三つの影には気付くことなく。

「いくらなんでも、本当に尾行するとは思いませんでした……しかも、来島さんまで」

「ご、誤解すんじゃねーぞ、佐久間! 俺は、あの二人と、あとはお前らが変なことに巻き込まれやしないか、心配でだなっ」

「あー! ほらほら、二人ともっ。 武藤と結城、手をつないでますよ! うわー、羨まし……じゃなくって、女の子同士で不健全な!」

「いえ……あれは人ごみが苦手な千種さんの手を、めぐみさんが引いてあげてるだけでは……」

ため息まじりに冷静な意見を述べた佐久間が、何とはなしに辺りを見回し──その視線が一点で固まった。

「き、来島さん、富沢さん! あ、あれって……?」

「い、市ヶ谷!? それに小縞も……!?
お、おい、お前ら! サングラスとマスクして、何を怪しいことやってんだ!?」
小縞 市ヶ谷

「あ、来島さーん、助けてくださぁいっ。
市ヶ谷さんが無理矢理、私を……!」

「人聞きの悪いことを言うんじゃありませんわ、小娘!
この前、『あの二人ってそういう関係なんですかぁ』だの、『どっちが攻めですかねぇ』だのと訊いてきたのはあなたじゃありませんの!
私はただ、後輩を正しい道に導いてあげねばという責務に駆られただけですわ!」

「……富沢さんと同じようなこと言ってますね……」

「ま、市ヶ谷の奴がそこまで後輩思いなわきゃないからな……面白がってるだけだろ」

結局、WRERAのレスラー二人を、WRERAのレスラー五人がこそこそ見張るという、おかしな構図が街角で展開されることになったのだが……

「ほら、めぐみ! この服、可愛いよねー。 着るのはちょっと勇気要るけど……」

「そうねぇ。 これじゃ、まるでコスプレよ。 そんなの着て街を歩けるの、富沢さん級の○○○ぐらいね」

「あっちにトレーニングウェアもあるね。 へぇ、ダンベルとかも置いてあるんだぁ」

「オフなんだから、そういうのはパスパス。 休みの日くらいトレーニングのこと忘れないと、来島さんみたいな○○○になっちゃうわよ」

「あー、見て見てめぐみ! この衣装、凄い! 昔のなんとか文明の女王様みたいだよ。 しかも試着可能! 着てみたりしない?」

「へえ……って、これ、バカンスの時に市ヶ谷さんが着てた衣装そっくりじゃない。 こんなバカみたいな服、実際に着れますかって。 ○○○な市ヶ谷さんじゃあるまいし」

…………。

「……佐久間さーん。 なんか他の先輩方、押し黙っちゃいましたけど……」

「あれは、黙ってるんじゃなくて、怒りに震えてるのよ、小縞さん……」

今度も冷静に現状を分析した佐久間は、大きなため息をついた。

「結局、手をつなぐくらいには仲が良いってだけなんですね〜、残念。 すすきのやホテル通りに行ったりしないか、楽しみだったんですけど〜」

「……小縞さんも、いい加減になさいね。 それにしても、泰山鳴動して鼠一匹とは、まさにこのことだけど……」

鼠一匹どころか、その一匹も出てきてはいない。

買い物袋を両手に提げ、笑顔で寮への帰途につこうとするめぐみと千種を目の端にとらえて、佐久間は自分たちの撤収も宣言しようとし──その視線が再び一点で固まった。

「こ、小縞さん……あれ……」

「えっ、どうしたんですか? 佐久間さん?」

小縞が佐久間の視線を追い──こちらも、同じ点で固まった。

めぐみと千種がその前を通り過ぎた、こじゃれた喫茶店。
その大きなウィンドウの向こう。

幸せそう、あるいは、仲睦まじい、という表現がぴったりくる笑顔のカップルがコーヒーを前に笑顔で談笑している光景は、別段と目を引くものでもなかった。

その片方が、知り合いでなければ。

「ほ、堀先輩!?」

「む、向かいの人、あれはもう間違いなく彼氏ですよね!?
私、団体内に彼氏持ちの人はいないって聞いてたのに……!」

堀

普段は見せないような化粧と服装で、目の前の男性と談笑している女性。
それは間違いなく彼女たちの先輩にして選手寮の寮長、テディキャット堀こと堀咲恵だったのである。 *3b

「泰山鳴動して……猫が一匹……?」

佐久間は、自分の呟きをどこか遠くに聞いていた。
そんな彼女の袖を、後輩の小縞が引っ張る。

「どうします、佐久間さん? あの二人の後も……尾けますか?」

「それはやめましょう……洒落にならないから……」

──以下は、後ほど佐久間と小縞から事の顛末を聞いたマイティ祐希子さん(この休日はカレー尽くし)のコメント。

「彼氏ぃ? 別におかしな話じゃないでしょ? *4b
寮長、昔っから結婚願望ありまくりで、夢は旦那とネコがいる幸せな家庭なんだから。

──それにしてもねぇ。 市ヶ谷や富沢だけならともかく、恵理やあんたたちまでって……。
みんな、せっかくの休み潰して、なーにやってんのよ?」




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■ 注釈(?) ■
*1a9月のスレイヤーは、森嶋FC、美沙FC、小鳥遊2p写真(「すごい」売れ行き)、桜崎プライベートイベントその2
石川&龍子がNAタッグ王座六度目の防衛(vsモーガン&RIKKA)、などがありました。
また、日本海女子からガルムさん他が殴りこんできたのでガルムvsケルベロスをやってみたりもしましたが…さすがにまだ全く歯がたちませんでした。
*2a評価値ではジュニア(体格S,SS)レスラーでトップ。すでに理沙子さんをも上回っているソニックです。
*3aゲーム中ではダブルタイトルマッチは組めないので、実際には WWCAジュニアとTWWAジュニアそれぞれで試合組まれてます。ご注意を。
*4a評価値差は80ほど。プレイヤーの腕の見せどころといった差ですが…最近、試合が下手になった感じなので不安大。
*5aソニックの必カードを、「受け」で凌いだだけなんですけどね。
*6a本文で書いたのは TWWAジュニア戦。WWCAジュニア戦は、17分43秒にこれもメロディ・スタンプで決着し、小鳩が八度目の防衛を達成してます。
*1b9月のWRERAは、来島軽傷、越後FC、富沢FC、小縞FC、富沢CM、めぐみCM、鹿児島に飲食店設置、桜井プライベートイベントその2、小縞参戦…とそれなりにイベント盛り沢山だったのですが、なんか全部無視して本文書いちゃってます。
また、桜井がIWWF王座五度目の防衛(vsカオス)、
ゆっこがNA王座十二度目の防衛(vsカオス)してます。
*2b旧作から通して、地元(福岡)プロ野球チームの熱狂的ファン、という設定のある来島さんです。
札幌のチームと試合する時は見に行くのだろうな、と。
*3b「堀は俺の嫁だ」という皆さん、ごめんなさい。まあ、相手は貴方だと思っていただければ…
*4b「3」以来、ママさんor奥さまレスラーのイメージが強い堀さん。サバイバー2でもゆっこのセリフのような夢をお持ちのようなので、こんな話にしてしまいました。オチが弱いのは…いつものことなのでご勘弁 (開き直り)。
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