「オーッホッホッホ! 遅れて申し訳ありませんこと!」
「あーら市ヶ谷、お帰りなさい。あんたの席はあっちよお」
「今日の良き日、華燭の典を上げられるお二人に、さらなる吉報をお届けに上がりました。わたくし、昨日ニューヨークにおきましてダークスターカオスを破り、IWWF世界ヘビー級王座を奪回いたしましてよ!」
「…市ヶ谷…」
「一度は棚上げいたしましたわたくしの偉大なる三冠統一計画、今ここに再発動を宣言いたしますわ!
…ま、そこのマイクの前で間抜け面をさらしていらっしゃるズン胴田舎娘には、なーんの関係もないことでしょうけれども。オーッホッホッホ!」
「市ヶ谷さん、やっぱり祐希子さんを…」
「…へへっ、いーちがやあ、やってくれるわねえ。あんたにそこまで言われて、しかも実際にカオスからベルトを奪ってこられちゃ、あたしもその気になるしかないわよねえ。
マイティ祐希子、久しぶりに腹の底から燃えてきたわ! WWCA、EWA、IWWF、この3つの世界王座を統一して、初代三冠王者になるのはマイティ祐希子よ!」
マイティ祐希子、ついに動く。
その衝撃に、自分たちの結婚式の真っ最中でありながらファウルチップは実況モードで叫びだし、理沙子も現場責任者モードで運営の検討を開始。
その光景に唖然とする出席者を尻目に、祐希子の構想はさらに膨らんでいく。
「どーせなら舞台はでっかい方がいいわ! 3団体からそれぞれ選手を出してトーナメントを開催! その勝者が3つのベルトを手にするってのはどう!?」
「オーッホッホッホ! あなたにしてはなかなか上等な発想でしてね!
よろしいですわ。このIWWF世界ヘビーベルト、一旦お預けしようじゃございませんこと!」
「へっへえ、あんたもこーいう時は話が早いわねえ。よっしゃ! 決まりぃ!」
「うわあ…何かエライことになってきた。祐希子さんと市ヶ谷さん…この二人が動くと、凄いことが起こるんだな…」
「もう止まんないからね! 三冠王座は祐希子サマのもんよっ!!」
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