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序章


日本女子プロレスマットを席巻する最強団体、新日本女子プロレス。

だが、明日のトップイベンターをめざし、日々熱き闘いを繰り広げているのは、なにも新日本女子プロレスの選手だけではない。
独立団体(インディペンデント)の選手達もまた、眩しいカクテル光の下メインイベントのリングに上がり頂点に立つべく闘いを繰り返す。

天使の羽は、明日をめざす彼女たちすべてに平等に与えられているのだから…



1-1

太平洋女子プロレス。
ベテラン女子プロレスラー、ブレード上原の主宰する小さな団体である。

後野まつり、金森麗子、沢登真美…といった若手選手ばかりのこの団体に、その少女も所属していた。

大高はるみ
大高はるみ。

デビューして1年が経つものの、まだまだ、線の細さの残る新人レスラーである。

「…はるみ、調子はどう? 今回のシリーズもよろしく頼むわよ」

「まかして下さい、上原さん! 今日もガンガンいきますから!」

「フフフ、はるみの元気の良さだけはいつも変わらないわね。頼りにしてるわよ」


なかなか勝ち星の増えないはるみではあったが、ひたむきなその試合ぶりはそれなりに好評を博していた。

実力の方も、先輩たちにはまだ及ばないものの、提携海外団体の若手、ジョディ・ビートンとの試合では安定して勝ちを拾えるまでに伸びてきていた。

そんなはるみに、上原は海外遠征のチャンスを用意する。

「海外遠征…ホントですか、上原さん! どこへですか!?」

「メキシコ、ヨーロッパ、カナダのカルガリー…それぞれ全然違うタイプのプロレスだけど、あなたが行きたいところに行くといいわ」

「そ、そう言われても…どこがいいかなんて、まだあたしには…」

「メキシコだと飛び技が、ヨーロッパだと関節技と打撃技が、カルガリーだと投げ技とパワー技なんかが伸びやすいでしょうね」

「…説明セリフですね、上原さん。それじゃ…メキシコへ行かせてください!」

「よーし、強くなって帰ってきなさい!」

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