第二回エンジェルウィング・チャンピオン・カーニバル、シングルリーグ戦。
全国各地の会場で行なわれる、全48試合+α(再試合) は、順当波乱悲喜こもごものドラマを生み出すこととなる。 *a1
【グループA】
「ああ、もう! よりによって初戦があんたぁ?
どういう不正工作したのかしんないけど、本当はあんた、あたしのこと好きなんじゃないでしょーねぇ!?」 *a2
「オーッホッホッホ! なにを世迷い言を!
あなたの出べそがお茶を沸かしますわよ、祐希子!
これも天の配剤。 今日こそ引導を渡してさしあげますわ!」
開幕を飾ったいきなりの WRERA二大怪獣決戦は、互いの必殺技が乱れ飛ぶ乱打戦になったが、場外ビューティボムからのリターン後にムーンサルトを決めた祐希子が勝利。
事実上、この時点でグループ一位抜けを確実なものとしたのであった。 *a3
○ | マイティ祐希子 | (11分16秒 ムーンサルトプレス) | ビューティ市ヶ谷 | × |
× | ノエル白石 | (13分05秒 フランケンシュタイナー) | ウィッチ美沙 | ○ |
○ | マイティ祐希子 | (6分00秒 ロメロスペシャル) | ウィッチ美沙 | × |
× | ノエル白石 | (9分24秒 シャイニングウィザード) | ビューティ市ヶ谷 | ○ |
○ | マイティ祐希子 | (7分52秒 フェイスクラッシャー) | ノエル白石 | × |
○ | ビューティ市ヶ谷 | (9分30秒 パワースラム) | ウィッチ美沙 | × |
◆ 選手コメント
「こんな組み合わせは大反則もいいとこなのです!
きっと、クジ引きの女神が可愛い魔女に嫉妬しやがったのですね。
そうに違いないのですよっ」(ウィッチ美沙)
| | A | B | C | D | 点 |
A | マイティ祐希子 | \ | ○ | ○ | ○ | 9 |
B | ノエル白石 | × | \ | × | × | 0 |
C | ビューティ市ヶ谷 | × | ○ | \ | ○ | 6 |
D | ウィッチ美沙 | × | ○ | × | \ | 3 |
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【グループB】
「この前は油断したぜ、富沢……。
カオスに勝ったこの千春サマが、まさかてめぇに負けるとはなっ。
この再試合こそ、ボコボコにしてやるよ!」
グループBは、カオスに千春が勝ち、その千春に富沢が勝つという小波乱のため、まさかの三人同点によるプレーオフとなった。
プレーオフではさすがにカオスが実力を見せつけ、さらに千春もこんな冗談レスラーに二度と不覚はとらねぇとばかりに猛攻を見せ、最後はボディスラムであっけなく勝ち抜けを決めた。 *a4
○ | 富沢レイ | (22分35秒 フランケンシュタイナー) | 佐久間理沙子 | × |
× | スーパーカオス | (19分19秒 フェイスクラッシャー) | 村上千春 | ○ |
○ | 富沢レイ | (14分51秒 サソリ固め) | 村上千春 | × |
○ | スーパーカオス | (10分09秒 ニーリフト) | 佐久間理沙子 | × |
○ | 村上千春 | (21分17秒 ノーザンライトボム) | 佐久間理沙子 | × |
○ | スーパーカオス | (11分57秒 サッカーボールキック) | 富沢レイ | × |
○ | スーパーカオス | (9分42秒 パワーボム) | 村上千春 | × |
○ | スーパーカオス | (14分40秒 ジャーマンスープレックス) | 富沢レイ | × |
× | 富沢レイ | (13分18秒 ボディスラム) | 村上千春 | ○ |
◆ 選手コメント
「疲れた……。 これなら、千春さんに勝たなきゃよかったかなぁ……」(富沢レイ)
「全敗の私からすれば贅沢ですよ。 富沢さん……」(佐久間理沙子)
| | A | B | C | D | 点 |
A | スーパーカオス | \ | ○ | × | ○ | 6(+6) |
B | 富沢レイ | × | \ | ○ | ○ | 6(+0) |
C | 村上千春 | ○ | × | \ | ○ | 6(+3) |
D | 佐久間理沙子 | × | × | × | \ | 0 |
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【グループC】
「うにゃあ。 モーガンさんにはまた負けちゃったし……。
鏡さんは強いけど、ここは勝つしかないにゃん!」
「あら、強い瞳の輝きですこと。
ウフフッ、これは油断しては足元をすくわれそうですわね?」
堀と鏡の試合は、もはや負けられない堀が、決して油断してはいない鏡をそれでも押し込む意地をみせ、終盤まで試合を優位に進めた。
しかし、勝負を決めに出たシューティングスタープレスを膝で返され、それでもと放ったノーザンライトスープレックスもカウント2.9まで。
最後は、鏡がお返しのシューティングスタープレスを放って逆転勝利を飾ったのである。 *a5
× | テディキャット堀 | (9分32秒 ニーリフト) | クルス・モーガン | ○ |
× | ジェーン・メガライト | (11分38秒 クレッセントヒール) | フレイア鏡 | ○ |
× | テディキャット堀 | (18分05秒 シューティングSプレス) | フレイア鏡 | ○ |
× | ジェーン・メガライト | (19分55秒 延髄斬り) | クルス・モーガン | ○ |
○ | フレイア鏡 | (10分59秒 チキンWフェイスロック) | クルス・モーガン | × |
× | ジェーン・メガライト | (15分59秒 サソリ固め) | テディキャット堀 | ○ |
◆ 選手コメント
「二位抜け? 問題ないわ。 要はあと四つ勝てばいいだけのことでしょう?」(モーガン)
| | A | B | C | D | 点 |
A | ジェーンメガライト | \ | × | × | × | 0 |
B | テディキャット堀 | ○ | \ | × | × | 3 |
C | フレイア鏡 | ○ | ○ | \ | ○ | 9 |
D | クルス・モーガン | ○ | ○ | × | \ | 6 |
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【グループD】
「番狂わせでも何でも、初戦で念願の一勝はできたし!
あの千里さんに勝てる気はしないけど、ここは全力でぶつかって、お客さまに少しでも楽しんでもらいまーす!」
桜崎に圧勝、ハンには文字通りの完勝を収めた千里が、この小縞戦で敗れるはずもない。
しかし、無欲で挑んだ小縞は、終盤に脅威の意地を見せた。
不知火やコンビネーションキックからのフォールをカウント2.8や2.9で凌ぎ、千里得意のハイキック二発も水面蹴りで返すと、ダイヤモンドカッターを連続で放って、観客に大番狂わせへの期待を提供する。
それでも最後は桜井千里。 コンビネーションキックで後輩の追撃を断ち切ったのであった。 *a6
○ | 小縞聡美 | (14分32秒 逆水平チョップ) | ナターシャ・ハン | × |
○ | 桜井千里 | (10分16秒 フェイスクラッシャー) | メイデン桜崎 | × |
× | 小縞聡美 | (8分14秒 エクスプロイダー) | メイデン桜崎 | ○ |
○ | 桜井千里 | (5分59秒 エクスプロイダー) | ナターシャ・ハン | × |
○ | メイデン桜崎 | (11分30秒 エクスプロイダー) | ナターシャ・ハン | × |
○ | 桜井千里 | (15分34秒 コンビネーションキック) | 小縞聡美 | × |
◆ 選手コメント
「それでグループCの一位は……結局、鏡お嬢様ですか?
まったく、面倒な相手が……あ、いえ。 なんでもありません。
トーナメント一回戦では、ぜひ先輩の胸をお借りしますわ♪」(メイデン桜崎)
| | A | B | C | D | 点 |
A | 桜井千里 | \ | ○ | ○ | ○ | 9 |
B | 小縞聡美 | × | \ | × | ○ | 3 |
C | メイデン桜崎 | × | ○ | \ | ○ | 6 |
D | ナターシャ・ハン | × | × | × | \ | 0 |
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【グループE】
「勝ったほうが二位抜け、負けたほうが敗退かよ。
こいつは、負けるわけにはいかねーな!」
「ひゃはははは!
言ってなって、ウドの大木の来島さんがよぉ!
血まみれにして絶望の底に沈めてやるぜぇ!」
グループEは、森嶋が全試合10分未満の勝利で早々に一位抜けを決めたこともあって、最終戦は二位の座を争う決戦となった。
ともに攻撃型のパワーファイターだが、最近の勢いではライラ。 この試合でも、来島のナパームラリアットを喰らってもすぐに地獄落としで返すなど、その勢いを見せ付けた。
しかし、息切れしたところで経験に勝る来島がラッシュ。 逆転で勝利を収めた。 *a7
○ | ライラ神威 | (7分01秒 フェイスクラッシャー) | ロゼ・ヒューイット | × |
× | ボンバー来島 | (9分18秒 チキンWフェイスロック) | 森嶋亜里沙 | ○ |
× | ライラ神威 | (8分20秒 サッカーボールキック) | 森嶋亜里沙 | ○ |
○ | ボンバー来島 | (8分22秒 ジャイアントスイング) | ロゼ・ヒューイット | × |
○ | 森嶋亜里沙 | (6分59秒 チキンWフェイスロック) | ロゼ・ヒューイット | × |
○ | ボンバー来島 | (11分08秒 ニーリフト) | ライラ神威 | × |
◆ 選手コメント
「…ライラが来島さんに負けた?
まさか、馬鹿正直にパワー勝負をしたの? 無様ね…」(森嶋亜里沙)
| | A | B | C | D | 点 |
A | ボンバー来島 | \ | ○ | × | ○ | 6 |
B | ライラ神威 | × | \ | × | ○ | 3 |
C | 森嶋亜里沙 | ○ | ○ | \ | ○ | 9 |
D | ロゼ・ヒューイット | × | × | × | \ | 0 |
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【グループF】
……トゥルル……トゥルル……トゥルル……ピッ。
「あ、もしもし、めぐみ!? やっとつながったよ!
ねぇ、さっきのメール、冗談なんだよね?
私が予選落ちしたら、タッグの出場、辞退するって……。
──えっ、本気ぃ!? そ、そんなのひどいよぉ!
私、越後さんに負けちゃって、次はその越後さんに勝った、永沢さんが相手なんだよ!?
もし勝てたって、まだようやくプレーオフだし、そこであの二人相手に勝つなんて……。
あ、ちょっと、めぐみ! 切っちゃダメ、電話切らないでってばぁ!」
「死のグループ」緒戦で先輩の越後に敗れ、早くも追い込まれた千種。
しかし、親友・めぐみの励ましのメールと心温まる電話で心機一転し、最終戦では越後を破った永沢を相手に、追い込まれながらもノーザンライトスープレックスで辛勝した。
それで勢いに乗ったのか、プレーオフでは連勝。 終わってみれば一位で突破を決めた。 *a8
○ | 永沢舞 | (8分35秒 掌底) | ソニックキャット | × |
× | 結城千種 | (18分31秒 アルゼンチンBブリーカー) | 越後しのぶ | ○ |
○ | 永沢舞 | (19分50秒 フロントスープレックス) | 越後しのぶ | × |
○ | 結城千種 | (6分05秒 裏拳) | ソニックキャット | × |
○ | 越後しのぶ | (8分18秒 延髄斬り) | ソニックキャット | × |
○ | 結城千種 | (13分03秒 ノーザンLスープレックス) | 永沢舞 | × |
○ | 結城千種 | (14分27秒 ノーザンLスープレックス) | 越後しのぶ | × |
○ | 結城千種 | (14分53秒 ジャンピングニーパット) | 永沢舞 | × |
○ | 永沢舞 | (29分46秒 タイガースープレックス) | 越後しのぶ | × |
◆ 選手コメント
「……確かに防御を優先し、最後は攻め手を欠いたかもしれません。
ですが、勝負は時の運。 私の歩んできた道が間違っていたとは思いません!」(越後しのぶ)
| | A | B | C | D | 点 |
A | 結城千種 | \ | ○ | × | ○ | 6(+6) |
B | 永沢舞 | × | \ | ○ | ○ | 6(+3) |
C | 越後しのぶ | ○ | × | \ | ○ | 6(+0) |
D | ソニックキャット | × | × | × | \ | 0 |
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【グループG】
「よぉし! 全力全開で行くっスよ、小鳩!
一位抜けの座は、自分がもらったっス!」
「まあ、まだ二試合めなのに気が早いわ、真田先輩。
油断してひどいめにあわないよう気をつけてね。 いひ♪」
真田は得意の打撃を惜しみなく披露し、さらに苦手ながらも要所要所で効果的にコブラツイストや卍固めを用いて小鳩を押す。
しかし、小鳩が得意とする関節技と飛び技は、ともに真田の苦手。 その相性が如実に出る形で、最後は腕ひしぎ逆十字からのメロディ・スタンプで小鳩が先輩を破ったのである。 *a9
○ | メロディ小鳩 | (6分12秒 裏拳) | 南利美 | × |
× | ハイサスカラス | (14分02秒 トラースキック) | 真田美幸 | ○ |
○ | メロディ小鳩 | (25分14秒 メロディ・スタンプ) | 真田美幸 | × |
○ | ハイサスカラス | (19分13秒 ムーンサルトプレス) | 南利美 | × |
○ | 真田美幸 | (7分47秒 ナックルパート) | 南利美 | × |
× | ハイサスカラス | (8分40秒 延髄斬り) | メロディ小鳩 | ○ |
◆ 選手コメント
「ノーコメントにさせてもらうわ」(南利美)
| | A | B | C | D | 点 |
A | ハイサスカラス | \ | × | × | ○ | 3 |
B | メロディ小鳩 | ○ | \ | ○ | ○ | 9 |
C | 真田美幸 | ○ | × | \ | ○ | 6 |
D | 南利美 | × | × | × | \ | 0 |
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【グループH】
「さて、武藤。 あんたにも最近はすっかり負け越してるしね。
打倒・祐希子と、そのついでにもらえる金メダル。
その両方のためにも、まずはこの初戦で一発、あんたを倒させてもらうよ!」
気合を入れた龍子は、序盤から必殺のプラズマサンダーボムを繰り出すなど試合の趨勢を決めにかかるが、今のめぐみ──公然と「狙うは優勝だけ」と宣言している──は、龍子以上に完成されたレスラーに成りつつあった。
フライングニールキックや DDTでペースを握り返すと、かつて龍子が市ヶ谷や来島を仕留めたドラゴンカベルナリアで龍子の体力を搾りつくし、フロントスープレックスで試合を終わらせたのであった。 *a10
○ | 村上千秋 | (12分01秒 フェイスクラッシャー) | 寿零 | × |
○ | 武藤めぐみ | (20分25秒 フロントスープレックス) | サンダー龍子 | × |
× | 村上千秋 | (8分49秒 パイルドライバー) | サンダー龍子 | ○ |
○ | 武藤めぐみ | (7分04秒 ドラゴンスリーパー) | 寿零 | × |
○ | サンダー龍子 | (8分43秒 ドラゴンスリーパー) | 寿零 | × |
○ | 武藤めぐみ | (12分49秒 ダイヤモンドカッター) | 村上千秋 | × |
◆ 選手コメント
「本当の勝負は決勝トーナメントから。 こんなところで足踏みしてるわけにはいかないの」(武藤めぐみ)
「ったく。 もう少し先輩やタッグパートナー様に遠慮しろよな、あいつら……」(村上千秋)
| | A | B | C | D | 点 |
A | 武藤めぐみ | \ | ○ | ○ | ○ | 9 |
B | 村上千秋 | × | \ | × | ○ | 3 |
C | サンダー龍子 | × | ○ | \ | ○ | 6 |
D | 寿零 | × | × | × | \ | 0 |
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