「フフ…乱闘なんて久しぶりだったんで、ちょっと油断したな。
…市ヶ谷のやってることは確かにムチャクチャで筋が通ってるとは言いがたいけど、少なくとも彼女は正しいと思ってやってる。
けど、キミは市ヶ谷と一緒にやっててもどこかに迷いがあるんじゃないか? 本当にこんな事やってていいのかって…」
「…!」
「迷ってやってるんだったら何もしない方がいい。そんな状態で試合をしたら、もっとひどいことになるかも知れないからね」
「…山田さん…」
「祐希子がキミに何も言わないのは、キミにはキミの考えがあるって思ってるからだと思う。
…もし自分のしていることに疑問があるんなら、早く祐希子のところへ戻りな。そして、もう一度自分のしたいことを考えるといい」
「…山田さん…ありがとうございます! あたしもう一度よく考えて出直します!
ごめん、華鳥。謝って済むもんじゃないけど、必ずこの償いはするから!」
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「…あなたも随分と大人になったものね、山田」
「ボクは元々物分かりがいいよ。南と違ってね」
「…」
「いたたたたたた! 傷口に松ヤニ擦り込むなあ!!」
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