カクテルライトの下、天使は三たびリングに舞い降りる……
「な……!?」
「あら。わかるのね。ただの元気なお嬢ちゃんじゃないってことかな」
その女性は一歩踏み出していた。少女が見たものはそれだけだ。
それだけで、三人の男たちを無傷で片付けた少女が後ずさったのだ。
北に風が舞い、西に殺戮者が牙を研ぐ、黎明の刻──
「忘れたのかね、井上くん? 彼女たちは皆、美しい宝石だ。つまりは──商品にすぎんよ」
社長秘書・井上霧子は、その言葉に妖艶な笑みを浮かべて頷いた。
「それを聞いて安心しましたわ、社長」
選手たちはリングにそれぞれの夢を懸け、
ある者は涙にまみれ、ある者は機を待ち、ある者は凱歌をあげる
「今のあんたじゃ仕方ないでしょ。誰が勝つか決まってるタイトルマッチなんて、やる意味無いんだから」
「へえ……言ってくれるじゃないかよ、上原さんっ」
地の底から響くような声を真正面から受け止め、ブレード上原は不敵に笑った。
「私に勝てるって、本気で思ってるの?」
きら星の如く生まれ、集い、そして巣立っていく、
天使たちが織り成すドラマの先にあるものは──!?
「オーッホッホッホッホ! これで社長も霧子さんも私に大感謝ですわね!」
“風と天使と殺戮者”
現在、鋭意プレイ中!
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