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9年目4thQ (1〜3月) Part4 〜 激突・二人の王者? 〜

《目次っぽいもの》
激突・二人の王者?[WR]猫の執念侮りがたし[WR]選手一覧注釈?



千種

「よ〜し、勝てましたぁっ!
レイさん、アシストありがとうございます!」

セミ前の 6人タッグ戦。
チームの勝利を告げるゴングの中、結城千種は、最後に相手のカットを押さえてくれた富沢レイに駆け寄った。

それが、乾いた音、そして鈍い痛みで迎えられるとは。 彼女は想像もしていなかった。

「レ、レイさ……ん? なんで……?」

「結城……ホントにあんたは、いつまで経っても甘ちゃんよね……」

頬を押さえて呆然とする千種の視線、そして観客のざわめきを、カクテル光と共に浴びて。
富沢レイは、平手打ちを放った姿勢のまま、いつもよりも数段低い声で言い放った。

「私たちが味方だったのは、今のゴングを聞くまでの話。
これから明日の試合に向けて、私とあんたはもう敵同士なのよ!」

── 2月の WREAR巡業は、明日のドーム開催が最終戦。 *a1
既報のカードには、結城千種 VS 富沢レイという一戦が確かに刻まれていた。

だからといって、今回何か特別な試合というわけでもないはずだ。
それをなんで殊更……と千種は不思議がるのだったが、

「だから甘いと言ってるの、結城。
あんたは知らないかもしれないけど、明日の試合はタイトルマッチ。
富沢 それも、あんたの EWA王座と私の TTT王座、両方を賭けて行なわれる、団体初のダブルタイトルマッチなのよ!」 *a2

「えっ……ええぇぇぇっっ!?」

驚いたのは、千種だけではなかった。
観客や選手の誰にとっても寝耳に水な話に、会場のざわめきも一段階アップする。

「わ、私、聞いてませんよ!? 初耳ですよ? 当事者なのにっ!」

「そりゃあそうよ。 私が社長に黙っておくようお願いしたんだから」

なぜか誇らしげに胸を張る富沢に、会場のざわめきが今度は一段階ダウンした。
口を小さく開けたまま固まってしまった千種と同様、呆けたのである。

タイトルマッチの前日サプライズ発表って興行的にはマイナスなんじゃ、とか、
いくらなんでも当の王者ぐらいには知らせておくべきでしょ、とか、
富沢DIYの TTT王座でダブルタイトルマッチって銘打つのはアリなのかよ、とか、
そもそも何で黙っておくようお願いしたのよ、とか、
それでOKする社長っていったい、とか、
種々雑多なツッコミの想念が会場を渦巻いたが、それに気づかないのか、気づいても意に介していないのか。

富沢は、実力ではとうに追い抜かれている後輩に対し、あくまで上から目線な態度を崩すことなく、したり顔で語ってみせた。 *a3

「目で見えるものだけを信じていてはダメよ、結城。
感じなさい。 そして、自分で判断しなさい。
明日の試合を正々堂々受けるのか、それとも逃げるのかを……。
さあ、どっちなの? 結城!」

「……わかりました。
いえ、お話の意味は全然わかってませんけど、明日の試合のことは、わかりました。
EWA王者としてその勝負……受けてたちます!
そして、どうせ返上させられる TTT王座は正直欲しくないので、すぐお返ししますから!」

「あーら、言ってくれるじゃない。 でも、そう上手くはいかないわ。
明日 EWAのベルトを巻くのはこの富沢レイだということを、しかと覚えておきなさい!」
EWA

一応は燃えているらしい千種。
根拠は無さそうな不敵な笑みを浮かべる富沢。

リング上で対峙する二人の姿に、まばらながら会場からは拍手も起きた。

そんな中。
数分前まで二人とタッグを組んでいた残り一名の武藤めぐみは、自軍コーナーポストを支えに頬杖をついて、

「こういうの……なんて言うんだったかな。 茶番劇? 三文芝居? それとも、猿芝居?」

うん、後で検索してみよう、とぼんやり決意していた。

迎えた翌日、2月最終第六戦。

EWAと TTTという二つのベルトが懸かった大一番(?)は、大方の予想に反し富沢が奮戦。

終盤にはサソリ固めでタップを奪うかというところまで行ったものの、最後は小柄な身体のどこにこんなパワーが、と唸らせるジャイアントスイング二連発で、千種が勝利を収めたのだった。

「ところで、レイさん。 今回の TTTは、何の略だったんですか?」

「……うーん。 とっても強気な富沢……だったかなぁ?」




千秋

「クックックッ……ついに追いついたってトコか。
もうあとは追い抜くだけだな。 なぁ、先輩?」

《村上千秋、WWPAジュニア王座五度目の防衛に成功っ!
しかも相手はジュニア三強の一角、テディキャット堀!
団体内における高い壁の頂きに、ついに手をかけ……
いや、ついに越えて見せました、村上千秋っ!》 *b1

3月。 *b2
WWPA-J WRERA巡業第五戦に組まれた WWPAジュニア王座戦は、王者・千秋自らが先輩の堀を挑戦者に指名し、決定したカードだった。

堀は、ジュニア戦線では団体最強を守り続ける AAC・GWA両ジュニア王者。
千秋がようやく手にしたベルトを賭けさせるのは酷……と、このカードを避けてきた WRERAの社長は渋面を作ったが、

「なーにおかしな気をつかってんだい、このお気楽社長が。
さっさと試合組みなって。 そうしないと……あのこと、バラすぜ?」

という千秋の一言で急遽態度を軟化させ、Goサインを出す。

そして今日、そんな社長の心意気(?)に、千秋は見事応えて見せたのだった。

「……うにゃあ、負けちゃったね。 強くなったよ。
悔しいけど、今日はおめでと、千秋ちゃん!」

試合後、爽やかに握手を求めた堀だったが、千秋は冷笑を浮かべて、その手をはたいた。

「ち、千秋ちゃんっ?」

「なんか勘違いしてねぇかい、先輩サマ?
私は、あんたに追いついたんだ。 あとは追い抜くだけだって言ったろ?
本番は次の最終戦……あんたの GWAジュニア王座を奪って、あっさり抜き去ってやるよ。
握手なら、それからいくらでもたっぷりしてやるさ!」

千秋も、ただ一度の勝利だけで、追いついたと豪語しているわけではない。

タイトルマッチ以外での直接対決での戦績は、すでに五分五分。
その手応えこそが、彼女の心に自信と自尊を漲らせているのだ。

「……そうだね、千秋ちゃん。 確かに、私は千秋ちゃんに追いつかれた……。
ううん、もう追い抜かれちゃったのかもしれないね……」

追い出されるようにリングを降りた堀は、高らかにベルトを掲げる千秋の姿を振り返った。

「でもね……ネコは九つの命を持ってるんだよ?
今日は負けたけど、これで終わったわけじゃない。 明日はそう甘くはないからね。
ネコの執念深さ……力いっぱい、思い知らせちゃうんだから!」

翌、第六戦。
ついに王者交代か、と注目を浴びた堀 VS 千秋の GWAジュニア王座選手権は、下馬評通り、中盤まではやや挑戦者有利の展開。
堀は千秋のヘッドバットで額も割られ、苦しい状況が続いた。

しかし、目の醒めるようなフィッシャーマンバスターが出ると、一瀉千里のステップキック、パワースラム、そしてローリングクラッチホールドで押さえ込んでの逆転勝利。

急転直下の結末が信じられずにへたり込んだ千秋に対し、堀は強引に手を取ってキツい握手をしてから、にこやかに笑ってみせたのだった。
堀

「私をナメると、七代まで祟ってあげちゃうにゃん!」




そして、戦いの舞台は翌年度に移る。

この年の終了 (3月末) 時点の選手一覧とランキング上位十傑は以下の通り。 *c1

新日本女子プロレス ワールド女子プロレス 日本海女子プロレス
渡辺智美
神田幸子
早瀬葵
SA-KI
吉原泉
榎本綾
市ヶ谷麗華
栗浜亜魅
堀咲美
ノエル白石
ミシェール滝
神楽紫苑
十六夜美響
ロイヤル北条
柳生美冬
南利美
藤島瞳
寿零
グリズリー山本
オーガ朝比奈
マッキー上戸
ディアナ・ライアル
辻香澄
キューティー金井
星野ちよる
朝比奈優香
保科優希
成瀬唯
小川ひかる
近藤真琴
氷室紫月
永原ちづる
相羽和希
AGEHA
杉浦美月
サキュバス真鍋
獅子堂レナ
ブラッディ神楽
WRERA(レラ)女子プロレス スレイヤー・レスリング フリー選手枠
マイティ祐希子
ボンバー来島
ビューティ市ヶ谷
テディキャット堀
桜井千里
越後しのぶ
村上千秋
富沢レイ
武藤めぐみ
結城千種
佐久間理沙子
小縞聡美
クラリッジ成瀬
フレイア鏡
森嶋亜里沙
メイデン桜崎
真田美幸
村上千春
メロディ小鳩
ライラ神威
永沢舞
ケルベロス小鳥遊
ウィッチ美沙
イージス中森
中村真帆
フェアリー保科
コンバット斉藤
伊達遥
草薙みこと
カンナ神威
プリズン六角
ソニックキャット
斉藤彰子
ドルフィン早瀬
菊池理宇
ラッキー内田
藤原和美
フォクシー真帆
佐尾山幸音鈴
真壁那月
野村つばさ
小早川志保
大空みぎり
アドミラル八島
上原今日子
サンダー龍子
石川涼美

[ランキング上位十傑] *c2
1マイティ祐希子WRERA
2桜井千里WRERA
3森嶋亜里沙スレイヤー
4ビューティ市ヶ谷WRERA
5武藤めぐみWRERA
6サンダー龍子フリー
7フレイア鏡スレイヤー
8メロディ小鳩スレイヤー
9越後しのぶWRERA
10ボンバー来島WRERA

[ベルト一覧]
非認定制世界無差別級マイティ祐希子
非認定制世界タッグ桜井千里
ビューティ市ヶ谷
スレイヤー無差別級武藤めぐみ
NJWPヘビー級武藤めぐみ
NJWPタッグフレイア鏡
村上千春
NJWPジュニアノエル白石
WWPAヘビー級森嶋亜里沙
WWPAタッグ真田美幸
メイデン桜崎
WWPAジュニア村上千秋
JSWヘビー永沢舞
(TTT)(富沢レイ)
IWWF世界ヘビー級桜井千里
IWWF世界タッグクルス・モーガン
ルミー・ダダーン
IWWF世界ジュニアシュウ・メイファ
WWCA世界無差別級スーパーカオス
WWCA世界タッグスーパーカオス
ジュディ・コーディ
WWCA世界ジュニアメロディ小鳩
TWWA世界無差別級ジェーン・メガライト
TWWA世界タッグジェーン・メガライト
キャシー・ウォン
TWWA世界ジュニアメロディ小鳩
GWAボンバー来島
GWAタッグメイデン桜崎
真田美幸
GWAジュニアテディキャット堀
EWA認定世界結城千種
EWA認定世界タッグライラ神威
ケルベロス小鳥遊
AAC世界ヘビー級ハイサスカラス
AAC世界タッグハイサスカラス
ジョーカーウーマン
AAC世界ジュニアテディキャット堀
アジアヘビー真田美幸
アジアタッグ越後しのぶ
テディキャット堀




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■ 注釈(?) ■
*a12月の WRERAでは、市ヶ谷FC、成瀬2pFC、千秋CD(「あまり」売れず…)、理沙子2p写真集(「それなり」)、など。チョコは桜井、めぐみ、小縞からもらえました。
タイトルマッチは本文のもの以外に、堀のAACジュニア二十八度目の防衛(vs千秋)、めぐみのNJWP九度目の防衛(vs越後)がありました。
*a2ゲームの仕様として、ダブルタイトルマッチは組めません。
ある意味、バーチャル王座である TTTならではかも。
*a3評価値では100以上、千種が上になってます。
*b1ソニック、堀、小鳩でジュニア三強…ということにしていますが、評価値で見ればすでにソニックは千秋&千春に抜かれ、堀も並ばれてます。実際には小鳩の一強になりつつあるかも。
*b23月のWRERAでは、桜井がIWWF遠征防衛、ゆっこFC、来島FC、理沙子2pCM、などが発生。
本文に書いてないタイトルマッチでは、来島がGWA初防衛(vs越後)に成功してます。
また、スレイヤーでは、森嶋グッズがバカ売れ、フレイアFC、ライラFC、フレイアCD(「すごい」ヒット)、森嶋CD(「かなり」ヒット)、千春プライベートイベントその2、など。
タイトルマッチは、小鳩のTWWAジュニア十度目の防衛(vs獅子堂)、ライラ&小鳥遊2pのEWAタッグ初防衛(vsカオス2pコーディ2p)、桜崎&真田のWWPAタッグ二度目の防衛(vsフレイア&千春)、がありました。
*c1新女再生。ただ、さすがに若手ばかりの構成です。
フリー選手はよりどりみどり状態。龍子、石川は言うに及ばず、資質Sのみぎりが気になる存在。
*c2順位は派手に変動。TOP2こそ不動ですが、6位までの評価値差は小。
6位の龍子と7位のフレイアとの間にはかなり開きがありますが、7位以下も混戦状態。11位以下のライラ、桜崎、千種、真田、永沢、あたりまで評価値は密集しており、来年もかなり動きがありそうです。
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