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6年目4thQ (1〜3月) Part2 〜 コスプレ女王の証 〜

《目次っぽいもの》
真・最強タッグ決定戦[SL,WR]コスプレ女王の証[WR]猫と鋼の大挑戦[WR,SL]選手一覧注釈?



時計の針を少し戻して、1月。 *1A

スキャンダルで足を遠のかせた WRERAのファンを取り込もうとでもいうのか、スレイヤーは最終日の四大タイトルマッチを含む、実に七つもの王座戦を開催した。 *2A

その中の四試合に、WRERAから招待された六角葉月、ボンバー来島、テディキャット堀が関わったのは、皮肉といえば皮肉なことではあった。

「葉月さん……団体が大変なときに、俺らがこんなとこで試合してていいんですかね?」

「気持ちはわかるけどね、来島。 だけど、こっちの興行投げ出すわけにもいかないし。 しゃあないっしょ?」

「まあそれは……でも、気になっちまって、いまいち気合が乗らないんすよ」

「それもわかるけどさ。 ただ、だからって森嶋って子を相手のリベンジマッチで、前と全く同じ展開でロメロからあっさりギブアップ取られたのは、さすがにいただけないけどねぇ?」 *3A

「……反省してます」

EXタッグ優勝チームの葉月と堀、そして TWWA王者の来島をこのタイミングで招待したのは、WRERAの集客力を下げて傷口を広げようという、これも井上の策の一環だった。 *4A

その策にまんまと乗ってしまった形の三人だったが、来島の TWWA王座と、来島&堀の AACタッグ王座は、からくも守りきることに成功する。 *5A NA-T

あとは、EXタッグ優勝チームである葉月と堀が、石川&龍子ペアの持つ NAタッグ王座を奪取できれば、何も言うことはなかったのだが……

「そんな力じゃ……私と石川の牙城、崩せやしないよ!」

王者組は、特にサンダー龍子は、強すぎた。

中盤戦から出ずっぱりの龍子が、石川の的確なサポートや合体技もあって、二人がかりの挑戦者を寄せ付けない。
最後は、ダウンした堀をサッカーボールキックで蹴り飛ばしてから押さえ込むという非情なまでの幕引きで、EXタッグ王者を退けたのだった。 *6A 龍子

「でっちあげ報道に苦しむ、あんたらの状況には同情する。
だからこそ、リングの上では遠慮も容赦もしないよ。
それが、あんたらに贈る、私なりのエールさ……」




富沢

「だーかーらー。
スキャンダルでピンチな今だからこそ、積極的な人気回復策が必要なんですってば。 ね、社長?」

「まあなぁ。 お前にしちゃ、随分マトモなアイデアだと思うぞ、富沢。 だが、何せ先立つもの、つまりはお金がな……」

「だーいじょーぶ!
そっちについても団体に迷惑はかけませんってば。
全てはこの富沢レイにおまかせあれ!」

2月の WRERA最終戦は、鹿児島県営広場での興行。 *1B
スキャンダル後も見捨てなかったファンのおかげで 12,000席を札止めにできたこの日、第三試合では富沢レイと越後しのぶの対戦が組まれていた。

二人の対決は決して珍しいものではなかったが、この日は普段と大きく異なる点が一つだけあった。 TTT

後輩で格下の富沢が、今日に限って赤コーナー側にされていたことである。

「まったく、富沢め……いったい、社長に何を吹き込んだんだ?」

ぼやく越後が青コーナーから入場し終わると、音楽が富沢のテーマ曲に切り替わった。
いつものように、アニメ系コスプレ衣装での入場。
だが、ここにも普段とは大きく異なる点が一つ存在していた。

「ベ……ベルトだってぇ?」

富沢の腰には、燦然と輝くチャンピオンベルトが巻かれていたのである。

「お、おい、富沢っ! そのベルトは何だ!? どこから盗んできた!」

「やだなぁ、人聞きの悪い。 DIYですよ、DIY。 衣装作りで鍛えた腕をナメないでくださいな」

「DIY……お前の手作りってことか!?」

なるほど、よくよく見ると富沢が腰に巻いたベルトは、100円ショップやホームセンターで手に入るような安っぽい素材から出来ていることがわかる。

しかし、富沢の言うとおり、コスプレの衣装や小道具作りで鍛えた手腕は伊達ではない、ということなのだろう。 カクテルライトに照らされて輝くそのベルトは、遠目に眺める限り、かなり立派なものに見えなくもなかった。

「ふっふっふ。 天才たるこの私が考え出した、苦境の団体を救う起死回生の一手。
──それがこの『TTT王座』創設なのです!
ベルト制作費は、団体のお財布にも優しい 4650円!
制作期間はたった一日。 私こと富沢が徹夜で手作りしました!」 *2B

「富沢が、徹夜で、手作り……? ちょっと待て。 TTTって、まさか……」

「問答無用! この私の TTTベルト、獲れるものなら獲ってみてください!」

「いや待て、富沢っ。 そういうネタベルトだったらだな。
ダンボールで作るとか、むしろみすぼらしい方がウケが狙えるもんじゃないのか?」 *3B

「私は完コス志向なもんで……じゃなくて、ウケ狙いとかじゃなく本気なんですってば!
さあ行きますよ、越後さん!」

── 9分16秒後。 ショルダータックルからの体固めで、あっけなく越後が勝利。

「ううっ……負けました、越後さん。 これが TTTベルトです。 あと、取り扱い説明書も」

越後 「……説明書?」

倒れた富沢が震える手でベルトともども差し出した紙。
訝しがりながらも越後は、受け取ったそれに目を通した。

「第一条。 王者は入場の際、必ずコスプレすること……!?」

第二条、王者は勝利者インタビューでアニメや漫画の名言を使うこと。
第三条、王者は週に五本以上のアニメをチェックすること。
第四条、王者は 8月と12月の大イベントには当落に関わらず参加すること。
第五条──
書かれた条文は、実に十四箇条にも及んでいた。

「ふ、ふ、ふ……」

「越後さん?」

「ふざけるなぁぁぁっっっ!!」

怒りに燃えた越後が、手にしたベルトをうつ伏せの富沢の頭に叩きつけた。
普通のベルトなら流血の大惨事だが、所詮は手作りベルトだ。
コブだけ残して、ベルトの方が大破した。

「だ、第十四条……以上の条項を破った場合、ベルトは剥奪……王座は初代王者、または、彼女の指名する者の手に渡るとする……」

こうして、富沢レイはわずか数分で TTT王者に返り咲いたのだった。 *4B




WWPA-T

「ひゃーはっはっは! メキシコの女王もこんなもんか? ま、私に血を流させなかったことだけは、褒めてやるぜ!」

「あらあら、調子に乗って。 でも、思ったよりは簡単にベルトを奪えましたわね。 ウフフッ……」

3月は、年度の締めくくり。 決算の時期。 *1C

だからというわけでもないだろうが、この月はタイトル移動が数多く発生し、五本ものベルトが、その持ち主を変えることとなった。

最初の一つは、ワールド女子の WWPAタッグベルト。
スレイヤーから殴りこんだフレイア鏡とライラ神威が、チョチョカラス&ジョーカーウーマンからベルトを奪い、スレイヤーでは四本目となるタッグベルトを持ち帰った。 *2C

残り四つは全て新女のリングで行なわれたタイトルマッチで、一つはドリュー・クライ&ナスターシャ・ハン組からキャシー・ウォン&ジェナ・メガライト組の手に渡った、EWAタッグ王座。

そして、他の三つは──

「先輩がすでに持ってる AACジュニアと、AACタッグ。
それに今回の三つが加わったら……一気に五冠王者ですね、堀先輩!」

「あははっ、もしそうなったらすごいにゃん。 全部は無理かもしれないけど、しのぶちゃんとのアジアタッグだけでも何とか勝ちたいから……頑張ろうね!」

ASIA-T GWA-J NJWP

WRERAから参戦の堀と越後に与えられた、三試合ものタイトルマッチ。

理沙子&ソニック組 VS 堀&越後組の、アジアタッグ王座戦。
ソニックキャット VS テディキャット堀の、GWAジュニア王座戦。
斉藤彰子 VS テディキャット堀の、NJWP王座戦。

“女王”理沙子は言うに及ばず、ヘビー級の斉藤、ジュニアのレベルを大きく超えているソニック、の誰を取っても、堀にとっては強敵だった。

特に、理沙子&ソニックとのアジアタッグ選手権は、パートナーの越後がそれほど実績を残していないこともあって、王者組の防衛が確実視されたのだが……

《お、王者組、まさかの敗北ぅっ!
大殊勲は、WRERAのいぶし銀ファイター、越後しのぶ!
延髄斬りの一閃で、ソニックキャットから見事に一本をとってみせました!》 *3C

堀 越後

「やった! やりましたね、堀先輩! 先輩のおかげで、この私も初タイトルを……ありがとうございます!」

「お礼を言うのはこっちだよ。 これで勢いもつきそうだしね。 だけど、しのぶちゃん。 初タイトルじゃないでしょ?」

「え?」

「しのぶちゃんは先月、レイちゃんの TTT王座を獲得してなかったかにゃ?」

「あ、あんなのは数えないで下さい!」

その後、本人の言葉通り勢いに乗った堀は、続く二戦でソニックと斉藤を撃破。

AACジュニア、GWAジュニア、AACタッグ、アジアタッグ、NJWPヘビー、の五冠王者として 堀が凱旋したことは、スキャンダルの余波に苦しむ WRERAにとって、久々の明るい話題となった。 *4C




そして、戦いの舞台は翌年度に移る。

この年の終了 (3月末) 時点の選手一覧とランキング上位十傑は以下の通り。 *1D

新日本女子プロレス ワールド女子プロレス 日本海女子プロレス
パンサー理沙子
ミミ吉原
八島静香
ソニックキャット
斉藤彰子
ドルフィン早瀬
菊池理宇
ラッキー内田
獅子堂レナ
藤原和美
フォクシー真帆
佐尾山幸音鈴
真壁那月
ミシェール滝
神楽紫苑
十六夜美響
ロイヤル北条
柳生美冬
南利美
藤島瞳
寿零
グリズリー山本
オーガ朝比奈
マッキー上戸
ディアナ・ライアル
辻香澄
キューティー金井
ガルム小鳥遊
中森あずみ
保科優希
成瀬唯
小川ひかる
近藤真琴
氷室紫月
永原ちづる
相羽和希
WRERA(レラ)女子プロレス スレイヤー・レスリング フリー選手枠
マイティ祐希子
ボンバー来島
ビューティ市ヶ谷
テディキャット堀
六角葉月
桜井千里
越後しのぶ
村上千秋
富沢レイ
武藤めぐみ
結城千種
佐久間理沙子
フレイア鏡
RIKKA
サンダー龍子
石川涼美
森嶋亜里沙
メイデン桜崎
真田美幸
村上千春
メロディ小鳩
ライラ神威
永沢舞
ケルベロス小鳥遊
伊達遥

[ランキング上位十傑] *2D
1マイティ祐希子WRERA
2サンダー龍子スレイヤー
3ビューティ市ヶ谷WRERA
4桜井千里WRERA
5ボンバー来島WRERA
6フレイア鏡スレイヤー
7森嶋亜里沙スレイヤー
8RIKKAスレイヤー
9六角葉月WRERA
10石川涼美スレイヤー

[ベルト一覧]
非認定制世界無差別級マイティ祐希子
非認定制世界タッグ石川涼美
サンダー龍子
スレイヤー無差別級サンダー龍子
NJWPヘビー級テディキャット堀
NJWPタッグ空位
WWPAヘビー級森嶋亜里沙
WWPAタッグライラ神威
フレイア鏡
(TTT)(富沢レイ)
IWWF世界ヘビー級桜井千里
IWWF世界タッグ石川涼美
RIKKA
IWWF世界ジュニアユン・メイファ
WWCA世界無差別級ダークスターカオス
WWCA世界タッグダークスターカオス
ジュディ・コーディ
WWCA世界ジュニアメロディ小鳩
TWWA世界無差別級ボンバー来島
TWWA世界タッグソニックキャット
パンサー理沙子
TWWA世界ジュニアソニックキャット
GWAソニックキャット
GWAタッグメイデン桜崎
真田美幸
GWAジュニアテディキャット堀
EWA認定世界石川涼美
EWA認定世界タッグキャシー・ウォン
ジェナ・メガライト
AAC世界ヘビー級ビューティ市ヶ谷
AAC世界タッグテディキャット堀
ボンバー来島
AAC世界ジュニアテディキャット堀
アジアヘビーRIKKA
アジアタッグ越後しのぶ
テディキャット堀




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■ 注釈(?) ■
*1A1月は、スレイヤーで小鳥遊2pが参戦してます。
*2A本文で触れたものを除く三試合は、石川&RIKKAがIWWFタッグ四度目の防衛(vs 森嶋&桜崎。引き分け)、小鳩がWWCAジュニア五度目の防衛(vs グレース・ハン)、桜崎&真田がGWAタッグ二度目の防衛(vs カオス&ユーリ)、でした。
*3A森嶋が来島の再挑戦を退け、WWPA王座戦三度目の防衛
6年目3Qでの時と全く同様に、森嶋のロメロで来島が体力40%残してギブアップしてます。
「…もう少し練習してきなさい…」by森嶋
*4Aなんて書いてますが、実はスレイヤーもフレイアとライラを WRERAに殴りこませてたりします。
いや、これは管理人の想像を超えるダーク霧子さんの深謀遠慮に違いありません。きっとそうです。
*5Aカオス相手に、来島がTWWA王座五度目の防衛。RIKKA&真田相手に、来島&堀がAACタッグ王座初防衛です。
*6A24分45秒、サッカーボールキックで決着です。龍子さん強すぎ。
この月は、WRERAでもタイトルマッチが二試合。桜井がフレイアからIWWF三度目の防衛、ゆっこもフレイアからNA九度目の防衛を果たしてます。
*1B2月のWRERAでは、理沙子2pが参戦。この月にはデビュー前なのにFCもできてます。チョコはゆっこ&めぐみ&千種。また、桜井の誕生日イベントもありました。
スレイヤーでは、小鳩CD(「それなり」の売上)など。チョコは龍子&真田&永沢からもらってます。森嶋プライベートイベントその2もありました。
*2Bゲーム内で実際にベルトを作ったわけではない、バーチャル王座
GAEAの広田さくらによる「HHH王座」をパク…インスパイアされたものです。
説明書や保持条件なんてのは TTT独自ですが。
そのうち富沢が千種と変な名前のチーム組んだり改名してヒールやったりする…予定は全くありません。
*3B越後さんが知ってるかどうかはともかく、上述のHHH王座はダンボール製でした。
*4B他の(まともな)タイトルマッチは、WRERAで堀がAACジュニア十八度目の防衛(vs リナ)、堀&来島がAACタッグ二度目の防衛(vs モーガン&ダダーン2p)。
スレイヤーでは石川がEWA八度目の防衛(vsカオス)、RIKKAがアジアヘビー六度目の防衛(vsフレイア)、龍子がスレイヤー十一度目の防衛(vs森嶋)でした。
*1C3月のWRERAでは、千種がバックドロップ(難易度9)取得、来島プライベートイベントその2、など。
スレイヤーでは、コンサート(フレイア&真田&桜崎)、などがありました。
*2C19分34秒、フレイアのチキンWFロックでカラスからギブアップ勝ちです。
*3C理沙子もソニックも、越後はもちろん堀よりも評価値が上。
勝てないだろうと思ってましたが、越後が理沙子相手に良く踏ん張り、代わったソニックに必カードの延髄→Wパワーボム→打カードの延髄で畳み掛けました。
*4C3月の他のタイトルマッチは、WRERAでゆっこが来島相手にNA十度目の防衛、スレイヤーで石川&龍子がカオス&森嶋相手にNAタッグ四度目の防衛です。
*1D選手乱獲も一段落。 COM団体は選手を増やしませんでした。
*2DついにTOP10をWRERAとスレイヤーが占拠。ゆっこが龍子をわずかに逆転。ゆっこ、龍子、市ヶ谷の三強を、資質B組の桜井〜RIKKAまでが追う展開。
11位以下は、ソニック、理沙子、堀、真田、桜崎…と続きます。
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