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6年目3rdQ (10〜12月) Part1 〜 団体対抗戦 (1) 〜

《目次っぽいもの》
団体対抗戦:突然の電話表の思惑・裏の思惑前哨戦[SL,WR] − 注釈?



10月、WRERAの社長は、携帯電話に見慣れない番号からの着信を受けた。 *1A

「もしもし、どちらさまで……ああ、霧子くんか。 え、違う? え、えっ?」

『ふふ、そちらの井上霧子さんとは別の井上霧子ですわ。
──はじめまして、スレイヤー・レスリングの井上と申します。
突然のお電話で恐縮ですけれど、今日はうちの社長の名代としてお話がありまして……』 *2A

その電話で、ある提案を受けた社長は、すぐに秘書の霧子に連絡を入れると、トップイベンターである葉月、祐希子、来島、千里──市ヶ谷はいつもの通りプライベートジェットで埼玉の自宅に戻っていた──を事務所に集めさせた。

来島 桜井 六角 ゆっこ

「スレイヤーとの団体対抗戦!? マジかよ、霧子さん! もちろんやるんだよな!」

「良い話題にもなるから、社長は乗り気よ。
あとはあなたたちの希望次第だけど、来島さんは問題ないみたいね。 他の人はどう?」

霧子の問いかけに、律儀に手を挙げて発言権を得たのは、千里だった。

「対抗戦といっても、どういうルールですか? まずそこを知りたいのですが」

「単純な 5対5の勝者数式よ。 組み合わせを決めて互いに選手を送り込み、対抗戦の試合として定めたシングルマッチでの勝ち数を競う。 それ以外の試合は、普通の興行と同じね」

「それであれば……私も、異存ありません」

「あとは、いい機会だから若手選手の交流戦も行なう予定ですって。 二人ほど若手代表を選ぶので、その選考はお願いね、葉月さん」

「へいへい。 ま、クジでも引かせましょうかねぇ」

「あとは……祐希子さん。 難しい顔してるけど、ひょっとして嫌なのかしら?」

「いえ、あたしはいいんですけど。 ……あたしの相手って、誰になりそうですか?」

「それは、サンダー龍子でしょうね。 あなたと龍子選手のステータスを考えれば、それ以外はありえないでしょう。 それとも、他の人とやりたいの?」

「まさかぁ。 龍子との再戦はあたしも楽しみですよ。
ただ、『あいつ』がワガママ言い出さなきゃいいなぁって……」

祐希子のその不安は、的中した。

市ヶ谷

「キーーッ! どうして『団体トップ同士の対決』が、龍子と祐希子戦ですの!? この団体のトップは私! 向こうのトップを迎えうつのもこのビューティ市ヶ谷以外にありえませんわ!
社長、ぜひとも再考すべきですわよ!」

……との猛抗議を、両団体共同の記者会見に乱入してぶちかましたものだから、たまらない。

ざわめく会見場に頭を抱えた WRERAの社長を救ったのは、スレイヤー代表として出席していたサンダー龍子の一言だった。
龍子

「問題ないよ。 私が二戦やればいいんだろ? 石川のやつには、ちょっと悪いけどさ……」 *3A

龍子の英断── WRERAの社長には涙を流さんばかりに感謝された──によって、対抗戦は 4人対5人という変則の 5on5として決定したのだった。




スレイヤー VS WRERA。
今や、所属選手の実力では新女を含む他団体の追随を許さない、とまで言われる両団体の対抗戦は、10月と11月の二ヶ月にわたって開催されることになった。 *1B

第一回 スレイヤー VS WRERA 対抗戦
サンダー龍子 VS マイティ祐希子世界トップ対決
サンダー龍子 VS ビューティ市ヶ谷真のトップ対決(市ヶ谷談)
フレイア鏡 VS 六角葉月“関節の女神”決定戦
森嶋亜里沙 VS 桜井千里元「無冠の女王」対決
RIKKA VS ボンバー来島スピード VS パワー

若手交流戦枠
村上千春 VS 村上千秋双子姉妹決戦
ライラ神威 VS 武藤めぐみNightmare VS Genius


「──さて、君の言うとおりに WRERAとの対抗戦を組んだわけだが。
どういう裏を用意しているのか……そろそろ教えてくれないかね、井上くん?」

「今はまだ、細工の段階ですので。 報告はもうしばらくお待ちください、社長」

「まあ、任せるといったのは私だしな。 それに、裏はともかく表の興行面だけ見ても、話題を集める良い企画だ。 勝敗が選手たち次第というのは歯がゆいが……勝てそうかね?」

「勝敗になど、あまり興味はありません。
仮に全敗したとしても、一部マスコミやネット住民が騒ぐくらいの話。
団体の人気や評価に大きな影響は無いでしょう。
もっとも、我々のスカウトや育成計画は、大幅に見直す必要があるでしょうけどね……」




そして、団体対抗戦は始まった。

各月最終戦に組まれた「対抗戦」としてのシングルマッチもさることながら、両団体の選手が入り混じっての豪華カードが連日目白押し。

団体の壁を越えたタイトルマッチだけでも、
 TWWA王座戦 (ボンバー来島 VS フレイア鏡)
 WWPA王座戦 (森嶋亜里沙 VS ボンバー来島)
 AAC王座戦 (ビューティ市ヶ谷 VS フレイア鏡)
 アジアヘビー王座戦 (RIKKA VS 六角葉月)
の四試合が行なわれた──いずれも熱戦の末に王者が防衛を果たす──が、それ以外にも、注目に値する試合は多かった。 *1C

めぐみ

《さ、サンダー龍子、まさかのフォール負けぇっ!
大金星は、デビュー二年目の武藤めぐみ!
6人タッグとはいえ、あの龍子を丸め込むとは……
昨年の新人王、これは末恐ろしい選手と言えそうだぁ!》
ETC

WRERAから殴りこんだ祐希子&市ヶ谷&めぐみを、龍子&カオス&ライラが迎えうつという構図で組まれた試合は、23分23秒に意外な決着を見せる。

まだヒヨッ子の武藤めぐみが、スモールパッケージホールドで世界トップクラスのサンダー龍子からカウント3。

それも単なるタナボタ勝利ではなく、切れ味鋭いフライングニールキックからすかさず繋げての丸め込みは、めぐみのたぐい稀なるセンスを証明するものだった。 *2C

《サンダー龍子、まさかの敗戦に呆然としつつも、勝者・武藤めぐみを称える握手!
龍子の苦笑いには、次世代を担うであろう若手へのエールも含まれているでしょう!》

拍手と武藤コールが会場を埋め尽くす中、リングのすぐ傍で、その光景を血走った目で見つめる一つの影があった。

ライラ

「チッ……あいつ、気にいらないねぇ。 気にいらねぇよ……!」

「対抗戦」番外として組まれた若手交流戦。
そこで武藤めぐみと戦う、ライラ神威、その人だった。




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■ 注釈(?) ■
*1A10月のWRERAでは、ゆっこ学園祭、日本海からの殴りこみ(ガルム&近藤&氷室)、等がありました。
*2A今さらですが、WRERAの井上霧子は「霧子さん」。スレイヤーの井上霧子 (ダーク霧子) は「井上さん」です。
*3AWRERAの方が上位5名の層が厚いため、市ヶ谷の相手も龍子にしないとWRERAの勝利がほぼ確定。
なので、順列(評価値)ではスレイヤーNo.5の石川さんに泣いてもらうことにしました。
*1B10月のスレイヤーでのイベントは、小鳩学園祭、ライラプライベートイベントなど。
WWCAジュニア王座戦(vs千春)で小鳩が四度目の防衛、GWAタッグ王座戦(vs小鳩&コーディ)で桜崎&真田が初防衛してます。
*1C来島&六角&桜井 VS 森嶋&フレイア&モーガン、めぐみ&千種 VS 村上姉妹、なども面白い試合でした。
ちなみに、WWPA王座戦では、来島が体力40%残してギブアップ。「頑健」の副作用?
*2C操作したわけではなく、AUTO観戦での結果です。
「対抗戦」も、全てAUTOでやってます。
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