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5年目4thQ (1〜3月) Part1 〜 天才姫ミーツ天衣無縫 〜

《目次っぽいもの》
不良娘と不思議娘[SL]天才姫ミーツ天衣無縫[WR]残り物の福?[WR]注釈?



「くうっ……私が、こんな負け方を……」

「フッフッフ。 この私を見くびった代償……高くついたな」

WWPA

年が明けた 1月のスレイヤー巡業は、全六戦中四戦にタイトルマッチが組まれる豪華シリーズ。 *1A

そのタイトルマッチ初戦は、フレイア鏡 VS ダークスターカオスの WWPA王座戦だった。

鏡にとっては正念場だが、それだけの力をつけてきている彼女は、カオス相手でも恐れることなく前に出た。
体力差とパワー差は手数で埋め、ここぞの一撃──半回転でカオスの視界外から襲うクレッセントヒールに賭ける鏡。
その狙いは図に当たり、カオスは大きなダメージと流血を強いられるのだが──

「お前は、眠れる獅子を起こしたのだ!」

リミッターが外れたのか。カオスは、フレイアの美しい銀髪を荒々しく引き回すと豪快なジャイアントスイングで放り投げ、さらには垂直落下式バックドロップ二連発。

フレイアに自分の過ちを後悔させる間も与えない怒涛の寄せで、カオスは最強外国人選手の矜持を示したのであった。 *2A


千春 小鳩

「あぁ。フレイア先輩、負けてしまったのね。
小鳩、悲しいわ……」

「お前、本当はぜんっぜん悲しがってねぇだろ。
──ま、すぐに本心から悲しがらせてやるさ。
ギッタギタにしてベルト奪って、質に入れてやるよ!」

「まあ、質に入れるなんてダメよ。 今どき、ネットオークションの方が高く売れるのよ?」

「……ほんっとに調子狂う奴だな、お前」

いまいち噛みあわないメロディ小鳩と村上千春。
この二人の対決に賭けられたベルトは、WWCA世界ジュニア王座であった。 WWCA-J

「テメェには……ムカついてたんだよ!」

一ヶ月とはいえ小鳩は後輩。 *3A
その小鳩に先にタイトルを取られたことは、千春のプライドを少なからず傷つけていたのだろう。
その衝動を、ヘッドバッドやエルボー、さらには得意とするサッカーボールキックに乗せて、千春は小鳩を攻めまくった。

「ぶっ壊れなっ!」

「いひ♪ そうはいかないの」

間一髪、二発目のサッカーボールキックからスルリと身をかわすとロープに走り、小鳩のお家芸、メロディ・スタンプ。
ぽよよん、とノンキな音が出そうな技はしかし、意外なほど相手にダメージを与える。

「なっ!? ば、バカな!?」

「うふふ。 みんなそう言うのよね。 そぉれ♪」

容赦ない……と言えるのだろうか。
再度のメロディ・スタンプで、小鳩は先輩・千春から WWCA世界ジュニアベルトを守りぬいたのである。 *4A 小鳩

「もうちょっと楽しみたかったかナ?」




2月、東京── *1B

暦の上に春は立ちながらもまだまだ寒さは厳しく、梅のつぼみもふくらむことを遠慮している、そんな頃。
街角に、見るからに地方からやってきたと分かる女の子が一人、途方に暮れたように立ち尽くしていた。 千種

「え〜と、ここ、どこだろう……?
早くしないと入門テストが始まっちゃうよぉ。 せっかく、プロレスラーになりたくて東京までやって来たのに……!」

一方、そのすぐ近くの街角には、なにか不機嫌そうな表情の少女が歩いていた。

めぐみ

「あ〜あ。もう、完全にはぐれちゃったわね。
だいたい、祐希子さんは何度も新女に来てるからいいけど、私は初めてなんだから……カレー屋さんチェックとかで裏道をフラフラされると、困るんだってば。
まぁ、迷ったりはしないけどね。子供じゃあるまいし」

「……あああっ、携帯もホテルに忘れてる! ど、どうしよう、迷っちゃったよぉ!
と、とにかくなんとかしなくちゃ……そうだ、誰かに道をきけばいいんだ!
あ、あのう、すみませ〜ん!」

「え? 私?」

「は、はい、そうです。 あ、あの〜、新日本女子プロレスの道場がこの近くにあるハズなんですけど、わかりませんか?」

「新日本女子? へえ、あなたもレスラーなの? あんまりそんな風には見えないけど……」

「い、いえ、私まだプロレスラーじゃなくて……。
その、だから、テストがあるから合格したらレスラーになれるかもしれないんだけど……あれ? あなた『も』って……?」

「うん。 これでも私、一応レスラーなの。
ちょうど新女に行くとこだったから、良かったら一緒に行ってあげるわ」
めぐみ 千種

「本当!? あ、ありがとう! 助かります!」

「どういたしまして。 あ、私は WRERAの武藤めぐみ。
めぐみって呼んでいいよ。 あなたの名前は?」

「わ、私は千種。 結城千種っていいます!」

武藤めぐみ。
結城千種。
これが二人の天使の、運命の出会いであった。 *2B




ゆっこ

「いやぁ、壮観。 さすが天下の新日本女子の入門テスト。 応募者数すごかったですね、理沙子さん」

WRERAは、2月に新日本女子興行への選手派遣を計画した。 *1C

目的は、王者マイティ祐希子と新女トップのパンサー理沙子による、NA世界無差別級タイトルマッチ。

そこに「若手選手の勉強」という意味合いも追加した結果、マイティ祐希子と武藤めぐみの二人が、北海道から東京へと空路はるばるやってきたのだった。 *2C

その日が、新日本女子の入門テストと重なったのは、単なる偶然だったのだが……

「でも、良かったんですか? ライバル団体のあたしたちにまで、テスト見せちゃって。
気に入った子、引き抜いちゃうかもしれませんよぉ?」

「……合格者をスカウトするのはやめてね、祐希子。
そうでない子と話をするのまでは、とめないけど……気になった子が、いたのかしら?」

「えへへ。 まあ、ちょっと。 28番って、どうでした?」

「28番、と……ああ、あの子ね。惜しかったわ……」

「ってことは、不合格?」

「残念ながらね。 体力はありそうだったけど、緊張したのか、いろいろと失敗しちゃったのよ。 応募書類を一つ忘れてきたのも印象悪くしちゃってね。 最終選考には残したけど、今回はレベルも高かったから……って、あら? 祐希子?」

理沙子が書類から目を上げた時、すでに祐希子の姿は無かった。

周囲を見渡す理沙子が手にした書類。
無機質な明朝体が印刷されたそれには、28という番号と一緒に、結城千種という少女の名が記されていた。 *3C




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■ 注釈(?) ■
*1A1月のスレイヤーは、上原CMが発生。
また、本編に書いてないタイトルマッチとして、RIKKA&石川のIWWFタッグ初防衛(vs上原&森嶋、32分35秒、Wインパクト)、上原&RIKKAのNAタッグ三度目の防衛(vsフレイア&森嶋、29分52秒、Wインパクト)、がありました。
*2A19分00秒、バックドロップでカオス WWPA王座奪取。
フレイアのクレッセントヒール(踵落とし)で体力50%vs20%にし、しかもカオスは流血。勝ったかと思いましたが、本文通りの三発で一気に削られました…
*3A3年目3Q加入の千春と、3年目4Q加入の小鳩です。
*4A44分48秒、メロディ・スタンプで小鳩初防衛。
長期戦になったのは、お互い高難易度の技が少なく、決め手に欠けたからです。
*1B…先に謝っておきます。すみません、調子に乗ってます。ああ、石を投げないで
*2Bというわけで、ほとんど「V2」オープニングコピペです。
ただ、千種はともかくめぐみは、既にレスラーやってるし話し方とかも変わってるしで、細かく書き換えましたけど。
*1C2月のWRERA、チョコはゆっこ、越後、富沢から。また、1月は来島のTWWA初防衛(vsルミー・ダダーン、13分42秒、ミサイルキック)、ゆっこのNA王座三度目の防衛(vs六角、12分03秒、ノーザンライトS)、等々がありました。
*2C2月、ゆっことめぐみで新女に殴りこんでます。
*3C…といった妄想設定の末、WRERAにて千種獲得です。
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