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3年目3rdQ (10〜12月) Part1

《目次っぽいもの》
楽勝と辛勝[SL]接触:風と殺戮者[WR]交流戦:WRERAにて[WR]注釈?



石川

「それじゃ行ってくるね、龍子。龍子も頑張ってね。上原さんとの仲、ギクシャクしてない? 大丈夫?」

「心配性だな、石川は。私の心配より、自分の心配しなよ。クライは、結構強いぜ?」

有明スポーツアリーナの20,000席を札止めにしたスレイヤー・レスリング10月興行最終戦は、セミとメインにタイトルマッチを持ってくる豪華カードとなった。 *1

セミは石川涼美VSドリュー・クライの、WWPA初防衛戦。
そしてメインは、ブレード上原&サンダー龍子にナスターシャ・ハン&RIKKAという異色タッグが挑む、GWAタッグ王座戦。

「お姉さんの勝ちですね〜」 *2

GWA-T 15分足らずでクライを沈めた石川に続けと、王者組の上原と龍子も気合いを入れてリングに上るが、実力において一枚も二枚も上回るはずの王者組は思わぬ苦戦を強いられた。

《ブレード上原、ナスターシャ・ハンに捕まったぁ! 王者組、いつものような連携が見られません! 先月死闘を演じた上原と龍子、その確執が二人の絆に悪影響をもたらしているのか!?》

「くそっ……上原さん!」

アナウンスが伝えるような確執などは無いが、今日のタッグの出来は、当事者の龍子から見ても最悪だとわかった。

特に、上原の調子が悪い。体調が良くないのか、いつものようなスピードもキレもなく、ハンにいいようにあしらわれている。

「しっかりしな、上原さん! あんたは団体最強なんだろ!? こんなところで負けたら許さないからな!」 *3

シングル戦線ではライバルの龍子にゲキを飛ばされ、上原も何とか盛り返す。
龍子にタッチして形勢は逆転。ハン、RIKKAからSTFと不知火という高難度の技を続けざまに食らっても、今の龍子は揺るがない。
最後は、上原がハンのカットを押さえる間に、龍子がハンのお株を奪う関節技、サソリ固めでRIKKAにタップさせて決着をつけた。 *4

「みっともないところ見せちゃったね、龍子。ま、『団体最強』として最低限の義務は果たしたってとこでいいかい?」

「最低限は、ね。──油断してると、いつでも寝首かいてやるから、そのつもりで」




11月。出演したCMが話題となって、マイティ祐希子のグッズが飛ぶように売れているシリーズ初戦の会場に、WRERAは予想だにしない一人の客を迎えることになった。 *5

RIKKA

「…………散れ……」

《おーっと!? あれは……RIKKAだ! 先月タッグ戦の敗北後、「修行に出る」との書き置きを残してスレイヤー・レスリングから姿を消したと報じられたRIKKAが、なんと、このWRERAのリングに現れましたぁ!》

西のスレイヤー、北のWRERA。
設立時から華々しく世間の注目を集めていたスレイヤーに比べ、細々と立ち上がったWRERAは地味な二年間を過ごしてきた。

しかし、ここへ来て、チョチョカラスやスナイパー・シスターズといった世界トップクラスが参戦し、彼女らを破ったマイティ祐希子、ビューティ市ヶ谷といった新鋭も登場。WRERAは、もはや弱小インディとは言えない評価と注目を集めるようになっていたのだが……

《そのWRERAを、ついにスレイヤーも無視できなくなったのか!? ここのところ、他団体に殴りこみを仕掛けて選手の実力を証明してきているスレイヤーが、ついにこのWRERAをも標的に定めたというところでしょう!》

「オーッホッホッホ! 一人で現れたその度胸だけは、認めてさしあげますわ!」

《こ、この甲高い高笑いは……市ヶ谷! ビューティ市ヶ谷です! 先月、コリィ・スナイパーからAAC世界ヘビーを守り、リベンジの要求を受けている市ヶ谷が、ここでRIKKAの挑戦をも受けようというのか!?》 *6

睨みあう市ヶ谷とRIKKA。それを煽るかのようなアナウンサーと、思わぬ展開に盛り上がる観客。固唾を呑んで見守る選手たち。 六角

しかし、その中でただ一人、六角葉月だけは、

「やれやれ……どいつもこいつも、元気なこって」

この後の展開に何かを予感したのか、後ろ頭を掻きながらぼやき声を洩らした。

とりあえず、葉月の悪い予感が当たったとすれば、それは自らが「スレイヤーからの挑戦」の矢面に立たされたということだろう。

市ヶ谷やRIKKA、そして会社として交渉を仕掛けてきたスレイヤー・レスリングの希望および要請を鑑み、WRERAの社長は、検討中だったAAC世界タッグの対戦相手にRIKKAとコリィ・スナイパーの二人を指名。

AACタッグ王者、葉月と市ヶ谷は、空中技を得意とする実力者二人を、挑戦者として迎えることになったのである。




来島

「よっしゃあ! どうだい、リリィ!? 俺のナパームラリアット……もう、決め技じゃないなんて、言わせねーぜ!」

11月のWRERA最終戦。

セミファイナルのボンバー来島VSリリィ・スナイパー戦は、『因縁の相手』リリィから初めて3カウントを奪うという、ノンタイトルながら、来島にとってはベルト並みに価値ある一戦となった。 *7

「……ハンッ。一度勝っただけで調子に乗ってもらいたくないけど──確かに、一年前とは見違えた。今日だけは、素直にオメデトウ、だね」

「へへっ。今日は、あんたたち姉妹にはアンラッキーな日になりそうだな。コリィも、市ヶ谷はともかく葉月さんには勝てないだろうからさっ」

AAC-T メイン戦のAAC世界タッグ選手権は、前月のシングル戦で市ヶ谷がコリィを圧倒したことや、RIKKAとコリィが急造タッグということもあって、王者組の楽勝が予想された。
ところが、蓋を開けてみると──

「ええい、ちょこまかと! もうちょっと腰を据えて相手なさい!」

「落ち着きなって、市ヶ谷っ。敵さんのペースにハマるだけだよ!?」

スピードだけでは序盤はともかく後が続かないと思われたが、RIKKAもコリィも、投げや打撃を空中技に織り交ぜて相手を翻弄。特に、市ヶ谷のパワーを封じるべく、ロープワークと小刻みなタッチでの幻惑を繰り返す。

それでもさすがに終盤は、葉月が試合を落ち着かせ、あと一歩で市ヶ谷の勝利というところまで迫るが……

「ロックオン完了よ、RIKKA!」

「…………もらった……!」

RIKKAの不知火から、コリィのムーンサルトプレスへの流れるような連携。
市ヶ谷、まさかの逆転フォール負け──観客が息を呑む中で、かろうじて市ヶ谷の肩が上がった。カウントは2.9。

「許しませんわ……ひざまずいて、許しを請いなさい!!」

勝利を確信した直後の油断。跳ね除けられて転がり、身を起こそうとしたコリィに炸裂する、市ヶ谷のシャイニングウィザード。

結果は王者組の勝利だったが、決して順当勝ちとは言えない薄氷の勝利だった。 *8




*110月のスレイヤーは、龍子の学園祭、石川CM、フレイアCD(結果は「すごい」大ヒット)、大阪にグッズショップ開店、フレイアのワールド殴り込み、龍子プライベートイベント、がありました。
*2WWPA防衛戦は、14分08秒、STOで石川の勝利。
クライは意外に体力が無く、中盤の石川の必殺のど輪落としで体力50%削りました。
*3龍子が猛追してますが、まだまだ団体最高評価値の上原さんです。ちなみに、この時点でのランキング総合トップは、ついに理沙子・上原を捉えた六角さん
*420分01秒、サソリ固めで王者組 5回目の防衛。飛に弱いはずのハンですが、上原が関節に弱めなことと飛カードが少なかったこともあって、上原は大苦戦。今回は龍子さん大活躍の回でした。
*511月のWRERAでは、ゆっこCMの上に、ゆっこグッズがバカ売れ。他には堀のAACジュニア海外防衛戦、来島FC、も。
一月前の10月には、ゆっこFC、越後FC、ゆっこ冒険映画(お断り)、市ヶ谷時代劇映画(お断り)、堀CM、市ヶ谷様写真集(結果は「かなり」の売れ行き)、がありました。
*610月興行で、市ヶ谷はコリィ相手にAAC防衛(二度目)
11分37秒、2割の体力を残したコリィを、市ヶ谷には珍しくローリングクラッチホールドで仕留めました。
*72年目2Q、あるいは、妄想補完その7をご参照ください。
評価値はまだ来島が下ですが、この試合ではナパームラリアット(カードは必でなくパ)で見事にリリィを沈めてます。
*8本当に薄氷。38分20秒、最後は市ヶ谷のシャイニングウィザードで防衛したものの、相手の必殺カード二連続で不知火→タッチ→ムーンサルトプレスを食らったときは、コントローラー持つ手が固まりました。
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